自分がドキドキわくわくできるような研究テーマを発見する、それが研究の大きな第一歩。
キミならではの発想で、楽しく研究できそうなテーマを見つけることが一番大切なんだ。
夏休みは絶好の研究のタイミング。
キミの身のまわりから、自分の研究テーマをしっかり見つけよう!
理科の時間に学習したことや、本で読んだことを思い出してごらん。例えば、前に生物のからだのつくりやはたらきを学んだことがあれば、もう一度「ほかの生物はどうなっているんだろう?」と見方をかえてみたり、「本に書かれていることは本当なんだろうか?」と疑問をもつことも研究のきっかけになるはずだ。
テーマを決めるときも、「魚の観察」といったぼんやりとしたものではなく、例えば「魚の口のカタチの研究」とか「ドジョウは川の水をきれいにする?」といったように、研究の目的をはっきりさせたテーマにすれば、だれともちがう、キミらしいオリジナルな作品をつくりあげる近道になるんだ。
公園や野原で、通学路で、昆虫や植物を見て「なにをしてるんだろう?」とか「どうなるのかな?」なんて、不思議に思ったことはないかい?また、生物だけでなく、ビンから出る“トクトク”という音や、納豆のねばり方など…。身のまわりの生活用品や食べものなどもキミの目のつけどころしだいで、おもしろい研究テーマになるはずだ。
テーマを決めたら、研究をスタートしよう。でも、しっかり計画を立てないで研究を始めてしまうと、思いどおりに進まずに最後に苦労することになる。
どのように順序立てて研究を進めるか、どうすればよい結果が得られるか、キミたちに基本的なスケジュールを伝授しよう。
いつまでにどのような実験や観察をして、いつまでに研究結果をまとめたらよいか、研究開始から応募作品の完成までの予定表をつくってみよう。
予定している実験や観察に、どんな材料、器具、薬品をつかったらよいか、先生やまわりの大人に相談したり、理科の本を調べたりして準備を進めよう。けんび鏡やカメラ、ビデオなどを使って記録する方法もあるよ。
自分で立てた予定表にしたがって、植物やこん虫など、観察する材料を集めて、観察や実験を始めよう。
観察や実験は、作品にしたときに読む人がわかりやすく納得できるものになるように、自分なりに工夫してみよう。また、オリジナルの器具や装置を自分でつくって、研究を進めているお友だちもたくさんいるよ。
観察や実験の内容、経過、結果などのデータをまとめて、図、表、グラフ、写真に記録しよう。こつこつと集めた正しいデータは、結論を導きだす大きな手助けになるはずだ。
観察や実験の進め方で悩んだり、実験がうまくいかないときは、先生やまわりの大人に相談してみよう。また、記録や結果についても、いちど確認してもらうといいよ。
キミの研究がどんなに立派なものであっても、読んでもらう人にわかってもらえなければ、せっかくの努力もムダになってしまう。読んでもらう人にしっかり伝わるように、研究の内容は次の順序でまとめてみよう!
できるだけ研究の目的やねらい、内容がわかるテーマにしよう。
どのようなきっかけから、その疑問に興味をもつようになったのかなど、研究を始めた理由を書こう。
研究テーマについて、どのような点まで調べようとしたのか、その目的を書こう。
また、どのような結果になりそうか、事前に自分で考えてみることも研究の目的を伝えるときに役に立つよ。
研究の目的にしたがって、なにをどのように観察し、どんな材料でどのように実験をしたのか、図や写真をつけてわかりやすく説明しよう。
観察や実験で得られた事実を正確に記録しよう。データは表やグラフにして、わかりやすくまとめよう。
観察や実験から得られたデータから、どのようなことが考えられるか、まとめてみめよう。
そして、研究の目的に対してその結果はどうであったか、自分の予想とどうちがったか、それとも同じだったかなどを考えて、自分なりの判断で結論を出してみよう。
観察や実験の結果について、もっとくわしく調べたかったことや、研究方法であらためたかった点、期待どおりの結果が得られなかった場合は、その原因など、反省すべき点を記録しておこう。
文部科学大臣賞をはじめとする入賞作品のダイジェストに加え、作品完成までにご指導くださった先生方のお話や審査員の先生方の講評をそえた、充実した内容のガイド集です。
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