第64回入賞作品 中学校の部
佳作

静岡食材で「宇宙日本食」開発への道 ~探究2,JAXA宇宙日本食サンプルを完成させる~

佳作

静岡県静岡大学教育学部附属静岡中学校 1年
増田 結桜
  • 静岡県静岡大学教育学部附属静岡中学校 1年
    増田 結桜
  • 第64回入賞作品
    中学校の部
    佳作

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研究の動機

 私の夢は、「宇宙飛行士が幸せになる宇宙食を作ること」です。宇宙に興味を持ち、本を読み漁りました。その中の『宇宙のがっこう』(NHK出版)という本で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で働いている須永彩さんという方が、宇宙食の開発に関することをされている事が載っていました。
 須永さんのメッセージの中で、「宇宙食の仕事は、宇宙飛行士に元気と笑顔を届けられる仕事です」と書いてあり、私はその言葉に感動し、「私も宇宙飛行士が笑顔になるような宇宙食を作りたい!」と思うようになりました。私は、宇宙食の中でも「宇宙日本食」に注目し、私の大好きな「静岡みかん」が「宇宙日本食」に使えないかと思いました。私が作ったオリジナルの試作品をTV番組の企画でJAXAの審査チームの方や元宇宙飛行士の方に試食いただき、官能評価もしていただきましたが、結果はわずかに及ばず、不合格でした。
 そこで今回は、本格的にJAXA宇宙日本食の認証に向けて、宇宙日本食の書類審査前に提出する「静岡みかんゼリー」のサンプル(試作品)のレシピを完成させることを目標にしました。

結論と感想

 「探究1.最強の凝固剤を探せ!」「探究2.JAXA宇宙日本食サンプルを完成させる」をとおして、適切な凝固剤、甘味料・糖度・粘度という面に着目し、実験や官能検査を行った。適切な凝固剤選びでは、4種類の凝固別の経時劣化状況を比較し、「アガー」を選定した。市販のゼリーに入っている甘味料の種類を調べたことで、多くのゼリーに入っていた「麦芽糖」「パラチノース」をみかんゼリーに活用することもできた。粘度の面では、アガー1~8gを比較して最適な粘度を調べ、宇宙日本食である「リポビタンFOR SPACE」「LIFE STOCK」の粘度(スプーンから離れる速度)を調べることにより、宇宙日本食に適している粘度と食感を探究した。官能評価の感想で「やわらかすぎる」というコメントもあったため、経時劣化を観察しながら食感を確かめ、粘度の調節をしていきたい。
 今後は、JAXAへの書類提出の仕様に合わせたみかんゼリーを引き続き探究して、今年度中に宇宙日本食のサンプルを完成させる。なお、私の宇宙日本食みかんゼリーは、本来廃棄するみかんの皮を入れることで食感やフレッシュさを実現している。みかんの皮は栄養価にも優れているためおいしく食べることでSDGsにも繋がる。また、私の宇宙日本食が認証された暁には、防災食や介護食にも技術が活かされる。

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