1年、2年と味について研究してきました。実験の中で「酢はにおいでわかった」とか「ゴーヤ汁の色が苦そう」など味覚を感じるときに、鼻や目も同時に使っていることに気づきました。そこで、舌で感じる味に色や香りを加えることや、温度を変えることにより、味の感じ方を変えることができるのではないかと思いました。
方法
1)10歳から60歳以上の男女34人に甘味、塩味、酸味、苦味について、好きか嫌いかアンケート調査した。
2)2%砂糖水、0.4%塩水、0.8%酢酸水、ゴーヤをすりつぶしろ過して色のみ薄くした液を作った。それぞれを氷の中に入れて冷やしたもの、27℃に放置したもの、40℃の恒温器に入れたものを、少しなめてもらい1番味を強く感じるものには○、1番感じないものには×をつけてもらった。
3)2)のゴーヤ水のみ市販に変えた。赤色(クチナシ赤色色素、デキストリン、クエン酸)、黄色(クチナシ黄色色素、デキストリン)、緑色(クチナシ黄色色素、クチナシ青色色素、デキストリン)、青色(デキストリン、食用青色1号)各試料液に着色料を入れたものと入れないものについて調査した。色についてどのような味をイメージするのかも調査した。
4)各試料液に甘い香り(ストロベリーエッセンス)、すっぱい香り(レモンエッセンス)を入れたものと入れないもので同様に調査した。
5)2)から4)を目隠しをして調査した。
6)ホイップクリームに①赤色と青色、②甘い香り、をつけた。それぞれ何も加えていないものと比較調査した。
結果
甘味が好きな人が多く、次に塩味、酸味で、苦味が好きな人はあまりいなかった。
強くするもの | 弱くするもの | |
温度 | 苦味(温かい) |
甘味(冷やす)、苦味(冷やす) |
視覚 | 赤色(甘味) 黄色(酸味)、赤色(酸味) 緑色(苦味) |
青色(甘味) 青色(塩味) 青色(酸味)、緑色(酸味) 青色(苦味) |
嗅覚 | 甘味(甘い香り) |
塩味(甘い香り、すっぱい香り) 酸味(甘い香り) 苦味(甘い香り) |
実際に食品を使って甘味について検証してみた結果、色については実験結果とほぼ一致したが、香りについてははっきりとした結果は出なかった。