みなさんこんにちは、野々雄斗です。このたびは最高の賞をいただきまして、本当にありがとうございます。とてもうれしいです。
ところで皆さん、3年前に行われた「愛・地球博」へ行かれましたか?僕はこの「地球博」が行われた町のすぐ近くの日進市に住んでいます。その後、日進市はますます発展して、去年人口が8万人を超えました。市の東に位置する香久山小学校は、全国で児童数が一番のマンモス校です。一方、ツバメの研究の拠点となった日東保育園は、市の西に位置し、発展する日進市の中でも昔のまま変わらない場所です。ツバメの巣を奪うほど保育園にスズメが多く集まってくる直接の原因は、大きな鳥小屋のエサにありますが、背景には僕たち人間の生活の変化があると思います。
さて、僕はこの研究を通して気づいたことがあります。それは「1つのことをしようと思うと、いろんなことをしなければならない」ということです。 たとえば、市内を1軒1軒歩いてまわり、聞き取り調査をして、初めて日東保育園が独特の環境だということが分かりました。また、巣の中を見るために竹やぶに入り、竹を切って特製の長い鏡を作りました。さらに、早朝と夕方の練習があるサッカーの部活とツバメの観察をどう両立するか、悩みながら自分の生活リズムを考えました。
このように、研究を通して経験してきたことすべてが僕のプラスになっていると思います。たとえば、所属しているサッカーチームのコーチから「試合の全体を見て、自分がどう動けばいいのかを、客観的にみる力がある」と言われます。これは、研究を通して身に付いたプラスの一つだと思います。
今年の研究はもう始めています。今年のテーマは「学習」です。スズメに横取りされたツバメがどのような行動をとるのか。これまでと違う行動が見られるかもしれません。この会場には沖縄をはじめ、日本全国から集まっています。スズメやツバメはとても身近な鳥なので、皆さんも面白い行動を見かけたらぜひ僕に教えてください。情報交換をして一緒に科学を続けていきましょう。
れからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
こんにちは、沖縄県の伊是名島からきました東江です。伊是名島とは沖縄本島の北にある小さな離島です。この島は都会では見られない自然が多く残っています。その中で育った私は、小学生のころからドロアワモチという生物の研究を継続してきました。今回の研究では、一つの石の下でのドロアワモチの動きを観察・記録し、産卵の様子や冬眠すること、また、海に流された幼生がもとの場所に帰ってくるという仮説を立て、証明することができました。この研究で大変だったことは、日差しの中で長時間観察しなければならなかったことです。ゆっくりと歩くドロアワモチの様子を観察したり、視点ごとに個体数を一匹ずつ数え長さをはかったりと、体力が必要でした。それでも、今日の観察で新しい何かを発見できるかもしれないと思い観察を続けてきました。
4月からは高校進学のために伊是名島を離れなければなりませんが、9年間継続し、伊是名島でできる最後の研究の年にこのような大きな賞をいただくことができ、大変うれしく思います。これからも生物の観察を通して学んだことを活かして、いろんなことに興味をもち挑戦していきたいです。