小学校6年間のアリの研究の総まとめとして、1年間を通して研究を行うことにしました。今までは夏の間だけの観察だったので、アリの春夏秋冬を追いかけてみたいと思いました。また、今までの研究でアリの行動がわかってきたので、今回はアリの頭脳を科学してみたいと思い、研究計画を立てました。
研究1
平成20年10月12日から平成21年8月15日まで、クロヤマアリとアメミアリの巣の様子を観察し、天気、気温、巣の周りの地面の温度、巣の周り10cm内で活動しているアリの数を調べた。
研究2
アリの頭脳を調べた。1.アリは雨が降り始めた時どうするだろうか?
方法
台風11号が来た8月30日に、巣の前で8時半から17時半まで観察した。翌日は1時間ごとに観察を続けた。2.アリは同じ迷路に何度も入れた時、早く脱出することができるだろうか?
実験
CDケースに紙粘土で簡単な迷路と複雑な迷路の2コースを作り、アリを入れた。3.アリは、甘いものに「すっぱいもの(酸)」や「苦いもの(アルカリ分)」を混ぜた時、そのことを見抜いて何も混ぜていないものに集まることができるだろうか?
実験
さとうシロップと精製水で、糖度33.0%さとう水溶液を作った。電子天秤を使用し、スポイトで微調整をていねいに行った。酸性(クエン酸入り)、中性(精製水入り)、アルカリ性(アルカリイオン水入り)、アルカリ性(重曹水入り)で、それぞれに集まったアリの数を比較した(8時から19時まで)。
結果・考察・分かったこと
1)アリは冬になると数が減り、3月ごろから4月中旬までがピークである。
2)アリは同じ県内でも暖かい地方には冬でもいる。
3)アリは雨が降ると、穴の中から濡れた砂粒を外に出して巣穴を小さくして、最後には完全にふたをする。
4)簡単な迷路では、アリは回数が進むにつれて経験を生かして時間を縮められる。
5)酸性の味は人気がないが、アルカリ性のものは中性のものより人気があった。