うみそらハリセンボンのかんさつ
~寄生虫フグノエについて~
沖縄県那覇市立天久小学校 2年・4年
岩瀬 海さん・岩瀬 花海さん
虫えい内で越冬するハマゴウフシダニ
Aceria vitecicola(Kikuti)の生活史
~ハマゴウフシダニの研究 10~
新潟県上越市立直江津中学校 科学部
ハマゴウフシダニグループ 3年・1年
村山 諒太郎さん・田島 修羅さん・竹内 海斗さん
・荻谷 光さん・山川 陽大さん
みなさんこんにちは。
沖縄県那覇市立天久小学校4年岩瀬花海と天久小学校2年岩瀬海です。
この度はこのような賞を頂き、ありがとうございます。
私たちは海で遊ぶのが大好きです。海にはたくさんの生き物がいるし、いつもおもしろい発見があるからです。
ある日浜を散歩していたときに、すごく浅い所にハリセンボンがいるのを見かけました。次に行った時もまた浅い所にハリセンボンが来ていました。捕まえて家で観察しようとしたのですが、残念ながら死んでしまったので夜ごはんのアバサー汁にしました。その時に口の中に寄生虫を見つけたのが、今回の研究のきっかけです。
インターネットで調べて、この寄生虫がフグノエといってフグの仲間の口の中に寄生する事がわかりました。形が深海のオオグソクムシに似ていておもしろいなと思いました。
そこでもっとハリセンボンを捕まえて、口の中のフグノエを探して観察する事にしました。
たくさん探して、やっとフグノエ付きのハリセンボンを捕まえる事が出来ました。
飼育し始めて3日後、赤ちゃんを産みました。水槽がものすごい事になりましたが、どうしようも出来なかったので、そのまま観察する事にしました。
すると、フグノエの赤ちゃんは生後一週間くらいで泳ぐ元気がなくなってしまうと、寄生した赤ちゃんは寄生したら泳げる体から寄生する体へ尻尾や目や触覚が変化していく事がわかりました。私は泳げなくなったフグノエがどうやって結婚相手と出会うのか不思議に思いました。そこでフグノエの赤ちゃんを観察した結果から想像してみることにしました。塔の中で歌を歌って、王子様に自分を気付かせたラプンツェルみたいにフグノエもひょっとしたら寄生虫にはわかる信号を出してもう一匹のフグノエが寄生しにくるまで待っているのかもしれないと想像するととてもわくわくしました。
私たちにはまだそれがどうやったら解明できるか全くわからないし、宿主のハリセンボンが長く生きられるようにハリセンボンの大好物の小さいケブカガニをたくさん捕まえてくるのは大変だけど、これからもフグノエ付きのハリセンボンを探して、詳しく調べることが出来たらいいなと思います。
今日はほんとうにありがとうございました。
こんにちは。
新潟県上越市立直江津中学校3年村山諒太郎です。
この度はこのような素晴らしい賞を頂く事が出来た事を心から嬉しく思います。
ありがとうございます。
この研究の始まりは9年前にさかのぼります。
学校近くの海水浴場で国体が行われることになり、全校で清掃ボランティアを行いました。その時科学部員が海岸に生えているハマゴウに奇妙な虫こぶが付いているのを見つけました。そして学校に持ち帰り研究を始めました。虫こぶの中にはハマゴウフシダニという体長0.1㎜の小さなダニが住んでいたのです。それから毎年研究を続け、9年間で研究に参加した部員は20人になりました。ここ数年の課題は越冬の方法でした。ハマゴウは落葉樹なので、冬になると葉を落としてしまいます。フシダニがどこに行って冬越しをするのか謎でした。
私が研究に参加したのが、研究7(セブン)からです。当時一緒に研究していた先輩は、ハマゴウフシダニは植物体では越冬しないという結論を出しました。寒い冬の中、連日海岸に出かけ、植物体をどんなに調べてもフシダニを見つける事が出来なかったのです。先輩の悔しい思いを土台にして私たちはさらに研究に取り組みました。翌年冬、腐った落ち葉の虫こぶの中に生きているフシダニを確認する事が出来ました。そして次は越冬の後にどうやって新しい世代を増やすのか調べたいという目標が生まれました。これが今年のもっとも大きな課題でした。研究に必要な技能は専門家に教えて頂き、レベルアップを目指しました。部活動の時間だけでは、処理が間に合わず朝早く登校したり、放課後遅くまで残って観察することもありました。正しいと思っていた結論が間違っていてがっかりしたり、世界でも報告例が少ない新たな発見をしたりすることが出来ました。結果としてハマゴウフシダニの生活史について一応の結論を出すことが出来ました。研究に取り組んだ毎日はとても充実していて、生物を研究する楽しさを味わい発見に感動しました。仲間と協力し合い足りないところは補って研究を続けられた事は本当によかったです。頼りになる後輩もでき、すでに研究11(イレブン)として活動してもらっています。これからもさらなる発見や生活史の完全解明をしてもらいたいです。そして研究の楽しさを後輩に味わってほしいと思います。
この研究をまとめるにあたっては多くの方にお世話になりました。技術指導と研究のアドバイスをしていただいた法政大学植物医科学センターの上遠野冨士夫先生。電子顕微鏡の操作を夜遅くまで手伝って頂いた上越教育大学の五百川裕先生を始めたくさんの方々にご支援頂きました。指導して下さった部活顧問の先生、研究難やいろいろなテーマに取り組みライバルとして研究に取り組んだ部活の仲間。励ましてくれたクラスメート・先生方、応援してくれた家族、この研究を支えて下さった方には感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。
小学校の部 | 中学校の部 | 合計 | |
---|---|---|---|
応募校数 | 590 | 155 | 745 |
応募作品数 | 6829 | 3450 | 10279 |
応募校数 | 応募作品数 | |
小 学 校 の 部 |
590 | 6829 |
中 学 校 の 部 |
155 | 3450 |
合 計 |
745 | 10279 |