小学校3年になってから、習字を習い始めました。習字を始めた時から、筆がすーっと墨を吸い上げたり、筆の形が墨を吸ってきれいなしずくのような形になるのがおもしろかったです。墨をつけないと何も書けない毛筆が墨を吸って、それを半紙に押し付けると字が書ける仕組みを調べてみたくなりました。
実験
筆の毛の数を数えた |
1)筆の毛を1本、
2)筆の毛を2本、10本、20本、50本にして、墨をつけて観察した。
3)スライドガラスを筆に、水を墨に見立て、筆の毛と毛の間のモデルを作って水の上がり方を調べた。
4)すき間の幅を変えて調べた。
5)①筆の毛を顕微鏡(×400)観察した。②筆の穂先の毛と1番太い部分の毛の本数を数えた。③筆の毛の生え方を観察した。④筆はどれだけの墨を吸うのかを計算で求めた。⑤実験装置を作って実際の筆と墨で吸い上げ方を調べた。⑥水を吸い上げた時の毛と毛のすき間を計算し、実験4)で確かめた。⑦筆を上げても墨がたれてこない原因を⑥で水を吸い上げたスライドガラスで調べた。
6)自分の髪の毛で筆を作って字を書いた。
分かったこと・考察
1)筆が墨を吸い上げるのは、筆には毛が集まってできるすき間がたくさんあるからである。墨は毛と毛のすき間に入り込んでいる。
2)すきまが、よりせまく、より細く、よりたくさん存在することができれば、墨はどんどん吸い上げられる。
3)空気がふれないところの方がよく吸い上げられる。
4)3号太筆は、穂先あたりで約2000本、筆の1番太いところで約5500本の毛でできていた。
5)筆の毛の生え方は、芯にあたる部分に細かい毛がたくさんあり、それを囲むように長い毛が根元から穂先までおおっている。だから墨の吸い上げも筆の中心部分が1番すごい。
6)穂先部分は断面積の86.31%が墨を吸い込んだすき間の部分となり、筆の1番太い部分では、断面積の91.35%がすき間の部分だと計算された。
7)墨を吸い上げているのにたれてこない状態の筆は墨を中にためこんだままで、墨を吸い上げる時と同じ毛細管現象だと考えられる。
字を書いてみた