僕は小学生から野球をしているが、野球のボールを遠くまで投げるコツの一つは、ボールを長く押し続けることだ。物を遠くまで飛ばすための条件は何か、身近にある材料を使って調べてみることにした。
方法
ストローと綿棒を使い吹き矢で実験しようと考えた。しかし、条件統制をするために、ストローをABS樹脂のパイプ(内径6㎜外径8㎜)に、綿棒をアルミの丸棒(外径6㎜と8㎜)に、ヒトの呼気をエアーコンプレッサー(吐出量34L/min、使用最高圧力0.7MPa)にした。
実験
Ⅰ. | エアーコンプレッサーの空気圧を0.4 MPa→0.3MPa→0.2MPa→0.1MPa(ほぼ4気圧→3気圧→2気圧→1気圧)と4段階に変えた。 |
Ⅱ. | 弾(外径8㎜)を、2㎝(2.53g)→4㎝(5.24g)→8㎝(10.49g)→16㎝(20.90g)と4段階に変えた。 |
Ⅲ. | パイプの長さを25㎝→50㎝→100㎝の3段階に変えた。 |
以上、延べ48種類の実験をそれぞれ2回ずつ行った。吹き矢の台の高さは1.11mだった。 Ⅳ.パイプの中を弾が加速されている様子を1/1200秒毎に高速度撮影した。Ⅴ.10枚の中抜き板を10㎝毎に設置して、各板に1枚のコピー用紙を貼りつけ、弾が何枚の紙を貫通するか調べた。
結果・考察
空気圧が高いほど、弾が軽いほど、筒が長いほど弾は遠くまで飛んだ。筒が長いほどよく飛ぶということから、摩擦よりも加速の方が勝っていることがわかった。摩擦を無視した飛距離の理論値を求め、実験の測定値と比較した結果、弾が重いほど、また、弾の速度が速いほど、弾が空気圧から得た運動エネルギーを保持しやすいと考察された。