7年間、ゲンゴロウやクロゲンゴロウなどを観察してきた。去年は、ゲンゴロウはどうやって上下を判断するのか、光について調べた。その結果、下から光をあてると、お腹を上にして泳いだり、下の方へ空気を吸いに行こうとするものがあり、そのため水面での息つぎ回数も通常より少なくなることが分かった。また、ゲンゴロウの種類によっても反応が異なっていた。しかし、ゲンゴロウがしきりに触角でケースの横や底を探る様子や、空気をためた背側が浮き逆さになれない様子を見ていると、光だけで上下を判断しているとは断言できなかった。そこで今年は、光に加えて水圧も上下の判断に影響を与えるか調べることにした。
方法
予備実験でゲンゴロウの加圧下での様子を種類別に観察した。実験装置に改良を重ね、6作目を本実験で使用した(写真)。800mlウォーターボトルに水深1.5mから100mまで計測可能な時計と、ゲンゴロウがとまる排水口用金あみを設置した。くみおきの水を600mlまで、空気を200ml入れて、種類別にゲンゴロウを入れて、加圧しない場合と加圧した場合のゲンゴロウを観察した。
実験
Ⅰ.電気を消し、ゲンゴロウを入れたボトルにダンボールをかぶせ、ゲンゴロウが金あみにつかまってから90秒間の息つぎ回数と様子をビデオカメラの赤外線による撮影方式を使って観察した。
Ⅱ.ゲンゴロウに、1)上からの光をあてて、2)下からの光をあてて、少しずつ加圧して観察した。
結果・分かったこと・考察