いろいろな精製デンプンや穀物粉からデンプンせんべいを作れば、材料による食感やつくり(構造)の違い、食べるときに唇にはりつく理由などが分かるのではないかと考えた。また、粉と水だけで作ったときと、調味料(食塩、砂糖)を加えて作ったときとの食感や構造の違いについても詳しく調べていきたいと考えた。
材料
精製デンプン(片栗粉、コーンスターチ、タピオカデンプン、サツマイモデンプン、浮粉、米デンプン)、穀物粉(もち米粉、米粉、そば一番粉)
方法
(1)粉50gに精製デンプンは水45ml、穀物粉は水75mlを加えて生地を作り、生地5mlを190℃のホットプレートにのせ、クッキングシートをかぶせ、その上から190℃のアイロンで約9.8㎏の力で1分間、圧した(プレーンせんべい)。同様に、生地に砂糖を6g加えた(砂糖せんべい)、塩を1g加えた(塩せんべい)、砂糖6gと塩1gを加えた(砂糖・塩せんべい)を作った。
(2)焼き始めてから音がしなくなるまでの時間、せんべいの厚さ・表面積・1g当たりの体積・表面と断面の顕微鏡画像・ヨウ素デンプン反応、粉の大きさや分布(レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置による測定を依頼した)と、食感(3段階評価)の関係について調べた。
せんべいの唇へのはりつきやすさシミュレーション実験
1辺が1㎝のプラスチック板に30㎝の釣り糸を通し、プラスチック板に水をつけ、せんべいの表面に1分間押し付け、ばねばかりを引き上げ、プラスチック板がせんべいの表面から離れる瞬間の重さの3回の平均値を出した。
結果
唇にはりつきやすいデンプンせんべいほど口溶け感が強く、やわらかめの食感をもつことが分かった。