去年の研究では、自作の迷路でダンゴムシの交替制転向反応を調べた結果、角と角の間のきょりを長くしても成功率はあまり変わらなかったが、角度を大きくするほど成功率はへることが分かった。そこで、何も無いところを歩かせるとどのような歩き方をするのか知りたいと思った。
方法
オカダンゴムシを、大(15㎜以上)、中(12㎜以上15㎜未満)、小(12㎜未満)に分けた。それぞれ13匹以上集めた。
実験
(1)四つ切り画用紙の中心にダンゴムシを置いてはりつけ、3秒以内に画用紙をかたむけて(0°、45°、90°、-45°、-90°)、ダンゴムシを自由に歩かせ、画用紙からはみ出るまで、あとを鉛筆でたどった。ダンゴムシの大きさごとに調べた。画用紙の中心から半径15㎝の円をかき、円周を四つにしきり比べた(図1)。
(2) ダンゴムシの足は、アイクロップスで足の先が見えるように調節し写真をとってスケッチをした。足の動かし方については、デジタルカメラの連続さつえいモードで、ダンゴムシの歩いているところを2秒間に20枚の写真をとり、足の間かくについて調べた。
(3)すべらない紙(♯100の紙やすり)と画用紙を-90°にし、大44匹で歩き方をひかくした。
結果
下表参照。
考察・分かったこと
(1)ダンゴムシが歩くときは後ろの足から順番に足を出していくと考えられた。また、2秒に3回も足を出していた。
(2)上り坂の歩き方:前足のかぎづめを引っかけて体を引っぱり上げる。後ろ足はふんばる。中足は支える。
(3)下向きの歩き方:かぎづめが引っかからないことが多い。引っかからないときは落ちそうになって回転する。そのまま落ちることも多い。
(4)落ちそうなとき:中足のかぎづめで引っかかるところをさがす。すると、向きが変わる。
(5)すべらない紙ではダンゴムシはまっすぐ進むといえる。