ぼくの学校では、毎年12月サケの卵を預かり、育て、2月下旬ごろ利根川に放流している。ある日、白い小石がしかれている水そうのサケは体が白っぽく、黒い小石がしかれている水そうにいるサケは体が黒っぽいことに気がついた。サケの稚魚は背景によって体の色を変化させることが出来るのではないかと思った。
予備実験
(1) 白い底の水そうに入っている白っぽいサケの稚魚と黒い小石がしかれている水そうに入っている黒っぽいサケの稚魚を準備した。
(2) 白い容器を2つ用意し、片方には白っぽいサケを5匹入れ、もう片方には黒っぽいサケを5匹入れた。
(3)入れた直後から観察し、10秒ごとに写真をとり、2分後まで色を調べ、変化を確認した。
研究
(1) 白(黒)色から黒(白)色の容器に入れたとき、体の色はどのように変化するのかを調べた。30秒ごとに写真をとり、実験日を変えながら同じ実験を3回繰り返した。
(2)サケの色の変化を横から見ると、どう見えるのか観察した。
(3) サケは、横と下のどちらの色に変化するのかを調べた。容器の側面と底面の色を変えて、色の変化を調べた。
(4) サケは大きくなると、色を変える能力が変わるのかを調べた。1ヵ月ごとに(2月から5月)研究(1)と同じ実験を行った。
(5)白や黒以外の色にも変わるのかを調べた。赤、青、緑、黄色の容器を用意し、白(黒)から各色へ移して調べた。
(6) 体の色を変えられないサケはいるのか調べた。
結果・考察・分かったこと
(1) 白から黒に変化する方が黒から白に変化するよりも、変化がやや速く、もともと黒いサケの色に近くなった。
(2) 黒いサケは体の横の模様がはっきりしていた。
(3) サケは全体的な背景の色で変色していると考えられる。
(4) 成長によって変色の能力は高まっていると考えられる。
(5) 黒から他の色に移すと、それぞれの色に近い色になった。5時間後、特に黄色と赤ではっきりとした色になった。
(6) 生命力の強いサケほど体の色を変える能力も高いと考えられる。
体長約4.0㎝の白色から黒色への変化
(平成23年2月6日)
体長約5.6㎝の変化
(平成23年5月17日)