小学校3年生の時、科学の本にスズムシ飼育ハウスがついてきた。スズムシの卵を見たのは初めてで、ぜひ育ててみたいと思った。卵からどのように孵化するのか、えさは何を与えるのか、スズムシの事をほとんど知らなかったので、その生態を詳しく知りたいと思い研究を始めた。2年目に孵化に失敗したことから、次々疑問が生まれ、さらに研究を深めていくことにした。
1年目:スズムシの一生(卵→幼虫→脱皮→成虫)、メスとオスの違いを毎日、観察記録していった。
2年目:孵化・脱皮・食べ物―孵化失敗の原因は光と土の量であった。脱皮は5回した。16日間、300~400匹の味覚を調べ、ナスが一番好みと分かった。
3年目:孵化のひみつ(気温と湿度)と色による生態の変化―孵化は気温26~27℃、湿度50~55%が最適。10種類の色のケースで研究。明暗を見分ける目を持っていた。
4年目:オスの鳴き方のひみつ―5つに分類(さそい鳴き、たたかいのうた、なわばり宣言、音への反応、温度や固体間の距離・数の違い)できることを発見。
5年目:鳴き声のひみつ―スズムシが一番よく鳴くのはモーツアルトの明るい曲であった。周波数の違いから鳴き声は電話では聞こえない。
6年目:スズムシも熱中症になる―突然、多くのスズムシがなくなり、土の温度を計ると28℃以上になっていた。人間同様、暑さに弱く熱中症になったと考えられる。