研究の動機
ヒトのiPS細胞が作られ、再生医療が発展していくなか、もっとヒトの再生能力を補うことができないかと思い、驚異の再生能力をもつプラナリアの研究を始めた。まず、無性生殖(分裂)について調べていくうちに、他の生き物の再生の仕方との違いに気付き、再生のしくみを詳しく調べることにした。さらに、クローンとは何か、本体との違いはあるのかと考えるようになり、記憶の継承について実験した。
結論と感想
プラナリアは、他の生き物と違い、切られた部分だけを付け足すように再生しているのではなく、体全体を作り直すように再生していることに気付いた。それで、プラナリアの幹細胞について調べれば、ヒトの再生能力に活かせるのではないかと思った。また、記憶の継承実験の結果、切断した後、尾側(脳のない方)にも、分裂前に学習した記憶があったことから、記憶が脳以外の部分にも保存されていることが分かった。ヒトも同じだとすると、記憶に関する病気の治療に役立つと思った。