虫が苦手で、近づくこともこわくてできませんでした。4年前に兄が育てていたアゲハの幼虫がさなぎから出てチョウになるのを見て、自分でも育てたいと思ったのが始まりです。何匹も育てて、いろんなことが分かりました。成長記録をもとに、アゲハの図鑑を作りました。
ぼくは虫が苦手で、近くに行ったり、さわったりすることができません。お兄ちゃんがアゲハの幼虫を育てている時も、遠くから見ているだけでした。さなぎになって動かなくなったので毎日見ていると、ある日さなぎからアゲハチョウが出てきているのを見て、「育ててみたい」と思いました。たまごから何匹も育てました。育てているうちにかわいくなって、アゲハの幼虫が大好きになりました。毎日せわをして、いろんな発見をしました。成長記録をつけて、分からないことを本や図鑑で調べているうちに、ぼくも図鑑を作ってみたいと思うようになりました。小さなたまごから、きれいなアゲハチョウになっていくところ全部が大好きです。この図鑑を作るのに出典許可を下さった海野和男先生、ポプラ社の三枝さんはじめ、幼虫のごはんを下さったみなさん、協力して下さったみなさんに感謝します。ありがとうございました。
審査評[審査員] 高家 博成
この作品は、ナミアゲハを飼育してめんみつに観察し、大きな変化の起きたとき、連続写真を撮りながら記録したものです。
成長と変態や変化の様子、行動の様子などがたくさんの写真と共に、詳しく記録されているのでたいへん参考になります。葉を食べる様子や糞の数など、毎日欠かさず記録されていることに驚きました。1匹の幼虫がさなぎになるまでに排泄した糞の数が700個以上だったとは、興味深い記録ですね。ミカンの葉を食べた量を正しく記録するのは、なかなか困難ですが、少し工夫して、およその量を計ることはできます。まず与える葉の外形線を方眼紙に描いておき、次の日、食べ残しを前の日に描いた外形線にあてがい、食べてなくなった部分を描きます。食べられてなくなった部分の方眼紙のます目を数えて食べた量とする方法か、または与える葉の重さを計っておいて、食べ残した葉の重さを引き算して、食べた量を出す方法などはいかがでしようか。
指導について笠松町立笠松小学校 高木 美帆・田端 剛之
お兄ちゃんが飼育していたきれいなアゲハチョウを見て、「自分もチョウを育ててみたい」と思ったのが研究を始めるきっかけでした。卵から幼虫、さなぎ、そして成虫への成長過程に興味を持ち、1年生の頃から継続的に研究を進めてきました。当初は「さなぎからどのようにしてきれいなチョウが出てくるのか、その瞬間を見てみたい」という強い思いで始まった観察ですが、さなぎから成虫への脱皮の瞬間を何度となく観察するうちに、どの幼虫も脱皮の前はフンをしなくなるという事実を見つけ出しました。また、成長に伴うエサやフンの量の変化にも目を向け、食べた葉の量からフン1つ1つの大きさに至るまで根気よく調べ上げました。この作品はただの観察記録に終わるのではなく、観察を続けるなかで、湧きあがってきた疑問を検証したり、写真を効果的に利用したりしながら、図鑑としての分かりやすさや見やすさがしっかりと意識された作品です。