観察と実験
アメンボは地面におくと、どんな歩き方をしますか。
アメンボは前方に進むことができますか。
アメンボを手にもって、どのくらいのはんいまで動かせるか、調べてみました。それぞれの足は大きく動かせることがわかりました。さすがに水泳選手ですね。
アメンボの重さは、わずか30ミリグラムほどです。 そのうえ、アメンボの足や体はぬれにくくできています。こころみにアメンボの足をもって、そっと水面にふれてみてください。アメンボの足はぬれません。
これは、水面の表面張力という性質のためです。水面は、ぬれにくいものがふれると、おしあげようとします。反対にぬれやすいものがふれると、水中に取り込もうとします。
この力は、小さな昆虫にとっては、とてつもなく大きな力となります。
アメンボの体はロウのような物質があり、足には細かくぬれにくい毛が生えていて、かるいので水面に浮いていられるのです。
針金でもぬれにくいと、浮きますよ。こころみに針金でアメンボを作って、鼻のあぶらをつけ、そっと水面においてみてください。このとき、アメンボの足の先を丸く作って、水面にふれる長さを長くするとよく浮きます。
危険な水面も、上手に浮くことができると、よいすみかとなります。多くの昆虫は水面にふれると、どこかが水にぬれ、水面に体を取られてしまい、動けなくなります。アメンボはそのような不幸にして水面に落ちた昆虫や、水面から羽化しようとするユスリカなどを捕まえて汁を吸ってくらしています。
川面に浮いているアメンボを見ていると、川下に流されようとすると、すぐ川上に向かって泳ぎ、けっして流されません。どうやらまわりの様子を見ているようです。
このことを試す実験をしてみましょう。 大きいシャーレか、なければ洗面器の中に水を入れ、アメンボを浮かべます。 おどろかせないよう、そっと洗面器の回りに絵本を開いて立て、へりにそって絵本を左右に動かしてごらんなさい。
きっとアメンボは絵本の動く方向に姿勢をとるでしょう。
水面でのいろいろなしぐさを観察してみましょう。
いつも体の掃除をしていませんか。
体がよごれると、水にぬれやすいので、たえず掃除をしなければならないのです。
太陽の光が水面を照らすと、アメンボの水面の影が水底に映ります。
あらふしぎ、水面にふれた足の部分は丸い影になっています。
アメンボの動きにつれて、影もかわります。