第48回入賞作品 中学校の部
佳作

沼の水質環境による蜻蛉の生態

佳作

千葉県野田市立関宿中学校 3年
青木 風人
  • 千葉県野田市立関宿中学校 3年
    青木 風人
  • 第48回入賞作品
    中学校の部
    佳作

    佳作

研究の動機

 千葉県野田市のはきだし沼に絶滅危惧種であるオオセスジイトトンボとオオモノサシトンボが生息しているという新聞記事(2002年・東京新聞)を見つけました。トンボが好きだった私は実際にはきだし沼を訪れ、トンボを観察するようになりました。ある時、はきだし沼の環境保全活動をしている人たちに出会い、それから毎年研究を続けてきました。研究テーマは、「はきだし沼に生息するトンボを調べる」(2003年)、「トンボと環境の関わり」(2004年)、「はきだし沼周辺のトンボの環境を調べる」(2005年)、「指標生物の生態・植物・人」(2006年)でした。今回はオオセスジイトトンボとオオモノサシトンボが生息する場所と生息しない場所の違いや水質環境との関係を明らかにしようと考えました。

研究の方法・結果・考察

方法

指標生物(オオセスジイトトンボ・オオモノサシトンボ)が生息するはきだし沼と、生息しない又八沼と水神沼の1)水質2)水辺・水中に生える植物を調査し、比較検討した。

1) 2007年8月5日・6日に各沼のCOD・NH4・NO2・NO3・pH・PO4をパックテストで調べ、水のにおい(5段階)を嗅いだ。フィールドノートに、調査場所・日付・天気・気温・水温・調査時間・調査目的・内容・目的のまとめ・疑問と課題を記し、写真を撮った。
2) 植物を採取、記録し、インターネットページ「植物による水質浄化」を参考にして水質環境への影響を調査した。昨年までの調査で確認した植物も加えた。
結果・考察

指標生物が生息する場所は、水質に含まれる窒素が少なく、幼虫(ヤゴ)である時の生活を邪魔する藻類などが発生しにくく、においも水の泥のにおいで、魚類等の強いにおいはしなかった。また、植物では抽水植物がなければ水質が安定せず、産卵や生活に適した環境ではないということが分かった。指標生物が生息する場所と、生息しない場所の違いは水質環境も関係するということが言える。


オオセスジイトトンボ(オス)

オオモノサシトンボ(オス)

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