1年生の時に父が持って帰ったホウネンエビに興味を持ったのがきっかけで研究を始めました。1年生の時に、ホウネンエビは「乾燥→温度条件→ふ化」というサイクルがあることを発見しましたが、エサになっているものや、体の大きさの違いなどの疑問点をこれまで研究してきました。今年は、エサになるものの発見とホウネンエビのふ化条件について確かめる目的で6年目の研究を始めました。
方法
インターネットで、(1)ホウネンエビはエサとしてアンキストロデスマス・ブラウニを食べている、(2)白熱灯の連続照明下で飼育し採卵したものはそのままでもふ化する、(3)ホウネンエビは鉄し好性がある、という情報を得た。
5月29日 水田で、土・ホウネンエビ・田んぼの水を採集した。 6月5日 花用液体肥料を加えた。 6月18日 顕微鏡(300倍) 観察の結果、A.ブラウニらしきものがたくさん発生していた。ホウネンエビが卵を抱え始めたので、ペットボトルの容器に移した。7月18日 産卵を終えて数が少なくなってきたので、水をぬき、ペットボトルの底にあった黄土色の砂粒状の卵を顕微鏡(100倍)観察した(写真1)。卵を2週間乾燥させ4つの条件のペットボトルに入れ、7月31日から毎日成長の様子を観察した。
条件
①A.ブラウニの水で自然に飼育
②A.ブラウニ+フミン質+砂鉄の水で自然に飼育
③A.ブラウニの水で24時間ライトを照射して飼育
④A.ブラウニ+フミン質+砂鉄の水で24時間ライトを照射して飼育。
8月14日 残っていたホウネンエビを別の水槽に移した。第2世代を飼育していた水を洗浄→ろ過→ろ紙の残さをペットボトルに戻して洗浄→ろ過を3度繰り返した。
結果・考察
1)長年探していたホウネンエビのエサを培養し観察できた。A.ブラウニはとても小さく300倍でもはっきりと見えなかった。
2)24時間連続照明下で飼育したホウネンエビの卵は、乾燥条件を加えなくてもふ化した(8月18日・写真2)。ただし、水を替えないと休眠スイッチをはずすことはできなかった。
写真1 |
写真2 |