昨年は、ベンハムのコマの色は立体ではどうなるのだろうと思って、主に円筒形の側面に描いた白黒模様が回転によって白黒(灰)以外の色が出るのかを調べてみた。いろいろな図柄を試作して調べていく中で、いくつかの図柄で、1つの筒が回転しているのに、回転すると、バラバラに分かれて回っているように見えるものがあった。それで今年は、どうして1つの筒がバラバラに分かれて回っているように見えるのかについて調べてみた。
去年の図案を基本型として黒い四角形の大きさ、形、配置、色などを様々に変化させることにより、1つの筒が分かれて見える秘密を探った。黒い四角形の大きさが大きくなればなるほど分かれ方は激しくなった。しかし、1つの段にある黒い四角形の面積が同じでも四角形の配置によって分かれ方が異なっていた。筒が分かれて見えるためには、必ず段の中に黒や濃い灰色があること、上段の四角形の底辺と下段の四角形の上辺とが同じライン上にあることが条件になっていることが分かった。自分の仮説をもとに図案を作成し、予想どおりの結果が得られた時は、とてもうれしかった。