研究の動機
科学雑誌で不思議な形をしたプランクトンの写真を見て、自分でも観察してみたいと思い、3年生の夏休みに中央公園池のプランクトンの研究をしました。この研究はその続きです。一滴の水の中にたくさんのいろいろな種類のプランクトンがいました。顕微鏡を使ってはじめて見ることのできる、いろいろな形の生き物たちが大好きです。まだ見つけていないプランクトンをもっと見つけたい。もっとプランクトンを見たいです。
3年生でまとめた研究では夏のプランクトンしか見なかったので、一年を通して中央公園池のプランクトンを観察し、種数と個体数の変化を調べることにしました。
季節によって違うプランクトンを見ることができるのでしょうか。プランクトンは冬も元気かな?
結論と感想
この研究で、中央公園池の植物プランクトンは種数も個体数も月ごとに変化はするが、一年を通しては大きく変わらないことがわかった。動物プランクトンは種数も個体数も徐々に増加していた。両方とも季節や気温とは関係がないように見えたが、種別に見るとアファノカプサなどは冬に近づくと数を減らし、暖かくなるにつれて数を増やしていた。一方、クロレラなどは1月に最大数になっていた。植物プランクトン全体を見たときは季節や気温との関係が見えなかったが、種別に見ると季節や気温と関係する植物プランクトンがいることがわかった。また、動物プランクトンは月ごとに優占種や最大数になるプランクトンが入れ替わっていることがわかった。この研究で新しく32種のプランクトンを同定し、3年生での研究と併せて180種のプランクトンを中央公園池から見つけた。季節ごとに違うプランクトンがいると予想していたが、全体としては季節ごとに見られるプランクトンの数に大きな違いはなかった。
現在、地球温暖化によって生物環境が変化し、生物多様性が脅かされている。私たちの身近なところで、プラクントンのような目に見えない生き物たちの中でも、生物環境の変化が進行しているのかもしれない。これからもプランクトンの調査をすることで、生物環境や生物多様性の変化について注目していきたいと考えている。