研究の動機
僕の好きな遊びに、たこあげ、風車作り、紙飛行機作りなどがある。どれも自然の風でよく上がったり回ったり飛んだりすることが楽しい。外国には風の力で電気を作り出す風車がたくさんあると聞くが、日本ではあまり見かけない。風はどこにでも吹いているので、風を利用する風力発電機を日本でも増やせば災害時のように電気が途絶えたような場面でも役に立つのではないか、と思った。
なお、2020年の7月の台風による豪雨では、140万人に避難指示が出た。しかしせっかく避難した避難所でも停電がありトイレに行くのも大変だった、という話をニュースで見た。身近な材料を使っておうちで作れる小型風力発電機があれば、災害時に手元・足元を照らすようなちょっとした灯りに利用できるのではないか、と考えた。おうちで使える小型発電機を作り、災害時に役立つように風力で発電させたい、と思ったのがこの研究を始めるにいたった動機である。
結論と感想
家の中の実験では一番発電量が多かったサボニウス型が、外の風で実験した時には家の中とは異なる結果となったことから、どのようにしたら手軽に工作できるサボニウス型風力発電機を効率よく発電できるのか、ということを追究する研究となった。家の中と外の風の流れが違うことに着目し、どのようにしたら風の流れを一番サボニウスの羽根に集め、回転させられるかの工夫を重ねるうち、タテヤでサボニウスを覆い、風を制御する方法に行き着いた。その後、タテヤをバージョンアップさせ、さらにサボニウスを入れたタテヤを円滑に回転させるためにタテヤの大きさに見合う尾翼をつけ、かつ回転をよくするためのベアリングを装着させる、というアイデアを得た。結果的に突風により電力計測には至らなかったが、LEDを発電させることができた。
最後に、防災センターに持参したところ、更なる工夫の余地はあるが、簡単な材料による小型の風力発電機は「災害時において実用化できる」という意見をいただけた。