研究の動機
トンボを捕まえたとき、トンボの羽の中には四角形や三角形など、いろいろな形があることを不思議に思った。たくさんトンボを捕まえてみると、羽の中にある形が違うので、それが体の大きさに関係しているのかもしれないと思い、1、2年生ではそれぞれの形の数と体の大きさの関係について調べた。
これまでの研究から、体が大きくなると羽も大きくなるから形の数も多くなると思ったが、シオカラトンボとアキアカネは、そうではなかったので、もっと多くの種類のトンボを調べてみたいと思った。
結論と感想
体が大きくなると、羽の中にある形の数は、どの形でも増えていく。ただし、三角形はアキアカネが特に多く、六角形や七角形以上ではシオカラトンボが特に多いことが分かった。大きな体で飛ぶには、羽にある形の数を多くする必要があることが分かる。しかし、アキアカネやシオカラトンボの羽の形の特徴が他のトンボとちがう理由については分からなかった。
形の割合は、キイトトンボは四角形が約80%ととても多いが、それ以外のトンボは四角形が約50%、五角形が約40%であった。不均翅亜目のトンボはほとんどが羽を開いて止まり、均翅亜目であるアオイトトンボも羽を八の字に開いて止まるのに対し、キイトトンボは羽を閉じて止まることが関係しているのかもしれない。
後ろ羽の長さが長くなると、三角形、四角形の割合が減っていき、五角形以上の割合が増えていく。ただし、トンボによって、六角形以上の割合は、多かったり、少なかったりする。羽が大きくなると、四角形の割合ではなく五角形以上の割合が増えることから、四角形は鳥の骨のように羽を支える役目をしていて、五角形以上の形で羽を大きくしているのかもしれない。
今後、アキアカネとシオカラトンボは他のトンボと違う特徴があるので、ナツアカネやオオシオカラトンボなど近い種類のトンボを調べてみたい。また、それぞれの形がどのような役割をしているのか調べたい。