〔研究の動機〕
自分自身が最近近視(右目0.1 左目0.4)になり、眼鏡をかけず視力を取り戻すことはできないかと考えました。
最初は、そのようなことが可能なものかと思っていたのですが、調べていくうちに、野外で1日2時間過ごし、太陽光を目に取り込むことで近視を抑制できると知り、大きな衝撃を受けました。それがきっかけで、このことを自由研究のテーマにすることに決めました。
太陽光の近視を抑制する効果については、10年以上前に世界で認められ、世界中で多くの研究が行われてきました。このメカニズムとしては、慶應義塾大学病院眼科医の鳥居秀成先生が、太陽光に存在する波長360〜400nmのバイオレットライトが近視抑制に効果があることを発見しました。
鳥居先生の研究についての記事を読んだのをきっかけに、バイオレットライトが自分自身の近視の進行を抑制する効果があるのか確かめたくて、自分で実験を行うことにしました。
また、詳しい話を聞くため、慶應義塾大学病院を通して鳥居先生へのインタビューを行いました。
〔結論と感想〕
バイオレットライトが自分自身の近視を抑制する効果の実験では、太陽光を浴びるため、晴れの日はベランダで、雨の日は窓際で1日2時間、毎日過ごしました。その後、眼科で視力検査を受けると、53日間で、右目が0.1から0.2に、左目が0.4から0.8になり、短期間で視力が回復しました。予想以上に視力が改善したので、このことに本当に驚きました。
結論として、太陽光に存在するバイオレットライトは、近視の進行を抑制するだけでなく、改善する効果もあると思いました。これからも、外で毎日2時間以上過ごして視力を改善させていきたいです。
また、鳥居先生に取材したときにブルーライトをカットすると眠くなるということを知りました。このことを生かして、妹を夜早く寝かせる方法を思いつき、実験を行いました。予想以上に良い結果だったので、このことを子どもの寝つきの悪さに悩むお父さんやお母さんに教えてあげたいと思いました。
JINSと坪田ラボが共同開発したバイオレットライトを透過する眼鏡からヒントを得て、バイオレットライトを透過する窓・屋根・壁のアイデアを思いつきました。そして、このアイデアをポリカーボネートのメーカーである三菱ガス化学に提案しました。今回の研究をGIGAスクール構想を進めている各教育機関(文部科学省、港区教育委員会、赤羽小学校)に提出しました。
この研究が何らかのきっかけになって、学校が近視対策に取り組むことになり、近視に悩む子供が一人でも減るとうれしいです。