〔研究の動機〕
私は宇宙が好きです。小学4年生の時、「宇宙人が存在する可能性のある太陽系内の惑星・衛星」について調べた際、木星の衛星のイオという星がその候補に上がりました。イオでは火山活動が活発なので、生物をつくる材料となるアミノ酸などが作られている可能性があります。火山活動が活発な理由は、イオの地殻が鉄金属でできていて、木星の引力の変化によって、その部分にひずみが繰り返し起こり、火山のマグマとなる熱が発生しているからです。私はそれを知って「金属がひずむと熱が発生する」ということに興味を持ち、研究を続けてきました。
〔結論と感想〕
〈研究概要〉
金属をひずませることで、より高い温度を出すことを目的に研究を行いました。実験1では温度を高くするために、『金属の板にくびれを作る』『万力に木を挟む』『より速く曲げ伸ばしを行う』などの熱の散逸を防ぐための工夫を行いました。1番温度上昇が大きくなった測定は、SUS304のくびれの幅が15mmの金属の板を木に挟み、150回/分で曲げ伸ばしをした時で、平均194.8℃でした。予想通り、n値が高く、くびれの幅が広く、木を挟んで速い速度で曲げ伸ばしをしたものが一番温度上昇が大きくなることが分かりました。実験2では装置により、鋼のブロック状の金属にひずみを加え198.7℃の温度上昇も観測できました。
〈感想〉
長時間猛スピードで曲げ伸ばしを行うのは大変でしたが、昨年度よりも高い温度が出て嬉しかったです。考察を行う際、自分でも知らないことが多く、理解をするのに苦労しましたが、自分なりに理解できたと思います。高い温度を出すために、また金属のひずみと温度の関係について深く知るために、今後も研究を続けていきたいです。