〔研究の動機〕
森林総合研究所でたくさんのカブトムシやノコギリクワガタの死がいを見つけた。兄と3年前にたくさんの生きているカブトムシやノコギリクワガタを調べた時に、体長の大きい個体は角の長さやあごの長さが大きいことがわかったので、死がいの角やあごの長さを調べることで、大きい方が食べられやすいか、小さい方が食べられやすいかがわかるのではないかと思った。兄のカブトムシについての学術論文を読んで、カブトムシのオスの体の大きさによって仲間を呼び寄せ方に違いが出るのではないかと考え、フェロモンの実験も行い、カブトムシは大きい方が生存に有利か、小さい方が有利かについて研究した。
〔結論と感想〕
カブトムシもノコギリクワガタも大きくて立派な個体が動物に狙われやすいことがわかった。メスよりもオスのほうが圧倒的に多かったので、オスの方が大きくて目立ちやすいから狙われるのではないかと考えられた。大小のカブトムシのオスによる誘引の違いを検証する室内でのフェロモン誘引実験では、70%以上の確率でエサありのオスの所に集まり、集まった5回のうち4回は小さいオスに集まったので、小さいオスの方が誘引する力が強いのではないかと思った。交尾後のメスについてもフェロモン誘引実験を行い、エサありのオスの所に5回中3回誘引されたが、誘引された3回のうち2回は交尾をしたパートナーの所だった。パートナーに誘引されるとしたら面白い現象だと思った。