〔研究の動機〕
市販されているクワガタの幼虫用のマットには値段の高いマットや低いマットがある。高いマットでは、安いマットで飼育するより大きなクワガタが羽化しやすいという。では値段の安いマットでマットの成分以外の条件で大きなクワガタの生育を促進させる要因はないのかと疑問に思った。もし今回の実験でマットの成分以外の条件で大きなクワガタが生まれやすい科学的に適切な条件が分かれば、値段の安いマットでも大きな個体を作り出すことができるのではないかと思ったので、今回の研究を行った。
〔結論と感想〕
クワガタのマットは、微生物の数が4600CFU/mlから6500CFU/ml程度で、64種程度、含水比は30%から50%程度。マットの量は1500cm3以上で深さは15㎝程度が適していると分かった。そして、ハエの発生とマットの交換時期はクワガタの成長に影響しないことが分かった。
現在の研究では1500cm3程度のマット量が適切と分かったが、マットをより経済的に運用するためにさらに正確な最小必要量を特定したい。そして、マット内に存在する微生物の種類を特定し、それぞれがクワガタの成長にどのような影響を与えるかを調査していきたい。もし特定の微生物が幼虫の成長促進に良い影響を及ぼしていることが明らかになれば、意図的にその微生物を含むマットを設計することで、より高効率かつ安定したマット環境を作ることができると考えたからである。また、ほかの種類のクワガタでは、今回と同様の研究をしてどのような結果になるのかも調べてみたいと思った。クワガタは種によって生育環境などの特徴が大きく異なっているため、コクワガタで得られた結果が他種にも当てはまるとは限らないからだ。

