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小学校の部
受賞者インタビュー
文部科学大臣賞

エサ条件によるプラナリアの成長と自切に及ぼす影響

佐藤 大悟さん 東京都荒川区立第四峡田小学校 4年

大好きなプラナリアの再生能力を、
目が見えない人の医療に役立てたい!

「目の不自由な人の役に立ちたい」
と考えて、研究をスタート

「目の不自由な人の
役に立ちたい」
と考えて、研究をスタート

はじめに、研究を始めたそもそものきっかけを教えてください。
佐藤さん 僕は小さいころから恐竜などの古生物が好きで、中でもアノマロカリスという古生代カンブリア期の節足動物が大好きでした。このアノマロカリスはたくさんの小さな目が集まった複眼を持っているのですが、「人間はどうして複眼ではないのだろう」とふしぎに思ったことから、小学校2年生の時の自由研究で視覚について調べました。
そこから今回の研究テーマへはどうつながったのでしょう?
佐藤さん 自由研究の調査を行う中で、視覚障がい者の方と交流する機会があり、「目が不自由だと、コンビニで好きな具のおにぎりを選んで買うことも難しい」という話を聞いたんです。そんな目が見えない人の困り事を少しでも減らしたいと考え、カメラで撮影した文字を読み上げる機能などをつけた「デジタル白杖」を開発しました。しかし、そこから「道具に頼らず、もし人間の目そのものの再生ができれば、もっと多くの人に喜んでもらえるのではないか」と考えたことが、今回の研究を始めたきっかけです。
そこでプラナリアを研究対象に選んだのはなぜですか?
佐藤さん ちょうど目の再生について調べ始めた時に日本免疫学会の「免疫ふしぎ未来2024」に参加して、プラナリアをもらいました。プラナリアは自ら体を切り離す「自切(じせつ)」を行って再生することで個体数を増やします。このプラナリアの再生のしくみが、人間の目の回復にも役立つのではないかと考えました。
プラナリアがの増え方には、エサが影響しているのではないかと考えたんですね。
佐藤さん プラナリアの飼育をはじめたところ、最初は5匹だったプラナリアが、自切と再生をくり返して1年間で1,000匹以上に増えました。飼育するうちに、エサによって増え方が変わるのではないかと気になったので、遺伝子について調べるRNA解析(RNA-seqデータ解析)という方法を使って研究してみることにしたんです。

予想通りの結果が出なくても、
実験はいつも楽しい

今回の研究を通して、苦労したことは何ですか?
佐藤さん プラナリアの実験は生き物が相手なので、個体によって結果に差が出ることもあります。研究の途中からは東邦大学理学部の鹿島誠先生の研究室も使わせてもらっていたのですが、自宅での研究結果が研究室で再現できなかった時は、どうしようかとあわてました。また、体長を測る時にプラナリアが伸びたりちぢんだりするので、正確なデータを取るのにてこずりました。
そんな大変な作業を続けている中で、くじけそうになったことはありますか?
佐藤さん 研究はいつも楽しいので、大変だと思ったことはありません。夏の暑い中で研究室に通うのも、研究室に6時間こもって作業するのも楽しかったです。作業をするたびに「もっとやりたい」という気持ちが出てくるので、休憩もいらないくらいでした。
研究がリフレッシュになっていたんですね。そんな今回の研究で、一番うれしかったことはありますか?
佐藤さん RNA解析の結果が、自分の予想通りだった時は、特に「やった!」と思いました。もちろん、実験結果が予想と違うことも何度もありましたが、それもおもしろかったです。そこから「なぜこうなったのか」を予想して、さらに実験を進めることができました。
この経験を踏まえて、これからどんな挑戦をしていきたいですか?
佐藤さん 今回の研究で、プラナリアの再生はエサによる栄養が大きく影響していることがわかったので、今度は水中の塩分濃度を変えて、プラナリアがどこまで適応できるかについて実験しているところです。プラナリアの環境対応能力や仕組みを人間にも応用できれば、病気の研究に役立つと考えています。

研究対象に愛情を持つことが、
よい研究につながる

今後も研究を続けていくとのことですが、将来の夢は何ですか?
佐藤さん 生物学者になって、ノーベル賞とイグ・ノーベル賞を取りたいです。イグ・ノーベル賞は日本科学未来館のイベントに参加して知ったのですが、研究対象に深い愛情を持った個性的な研究が多いところがかっこいいと思いました。僕はプラナリアのことが本当に大好きなので、プラナリアの魅力をさらに解明するユニークな研究にも挑戦していきたいと思っています。
これから研究に取り組もうとしている仲間へ、メッセージをお願いします。
佐藤さん 今回の自然科学観察コンクールでは文部科学大臣賞をいただきましたが、まだ研究者としての第一歩を踏み出したばかりです。プラナリアの研究をするようになってから、たくさんの魅力やすごさがあることを知って、それらを活かす方法を見つけたいと思えるようになりました。なので、ぜひ研究するものに対して愛情を持ってください。大好きな気持ちが、よい研究につながります。
ありがとうございました!
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中学校の部
受賞者インタビュー
文部科学大臣賞

「キバネツノトンボの研究 5th season ―生態・生活環の総括と種間比較―」

内山 旬人さん 茨城県小美玉市立小川南中学校 3年

5年間の研究が実を結んで手にした、
本邦初の誇るべき成果

明らかにされていない
キバネツノトンボの生態を、
自分で調べて発見したい!

まずは、どんなきっかけでキバネツノトンボの研究を始めたのか、教えてください。
内山さん 僕は小さい頃から昆虫が好きで、小学校3年生から地域の自然環境を調査する『小美玉生物の会』に所属しています。そのグループで、僕が研究対象にしたキバネツノトンボを見に行く機会がありました。キバネツノトンボは、全国の15の自治体でレッドデータブックに記載されている珍しい虫で、ほとんど研究されておらず、生態や生活史などが明らかにされていません。それを知り、「だったら自分で調べてみよう」と思ったのがきっかけです。
実際に、どのような研究をしたのですか?
内山さん 生息地に足を運んで卵を見つけ、自宅で孵化させて幼虫の成長を観察したり、成虫を飼育して生態や習性を明らかにしたりと、とにかくたくさんの時間と量をかけて研究しました。
研究は小学5年生からスタートして今年で5年目なのですが、今年はこれまでの研究の集大成として、新しい実験を加えながら4年間でわかったことをまとめ直しました。また、キバネツノトンボの研究のために観察してきた「オオツノトンボ」と「ツノトンボ」の2種と比較することで、キバネツノトンボの特徴や特性をより明確にする試みも行いました。
自分で幼虫や成虫を育てて研究するのは、大変ではなかったですか?
内山さん 正直、大変でした。幼虫が全滅してしまったり、成虫をうまく飼育できなかったりして、泣いたこともたくさんあります。でも、犠牲にしてしまった虫たちのためにも、正確な知見を得ようとがんばってきました。くじけそうになっていた時、ツノトンボの飼育に成功したことがある静岡県昆虫同好会の杉本武先生に出会って飼育のコツなどを教えてもらい、研究を続けることができました。

専門家にアプローチして情報収集
論文発表や、学会への参加も!

専門家にアプローチして
情報収集
論文発表や、
学会への参加も!

今回の研究を行うにあたって、専門家などにメールや電話をしたり、Xで情報を集めたりしたそうですね。
内山さん はい。キバネツノトンボに関する情報はほとんどなく、あったとしてもそれを鵜呑みにせず、自分で確かめることにこだわっていたので、わからないことや知りたいことがあれば、積極的に動いて情報を集めました。Xでは、「#キバネツノトンボ」などで検索をして、リサーチしました。顔や本名を知らない人であっても、親切に知識や情報を教えてくれて本当にありがたかったです。また、この研究をきっかけに、岩手大学大学院連合農学研究科博士課程在籍(当時)の富永豪太さんや、北九州市立いのちのたび博物館の蓑島悠介先生など、たくさんの専門家たちと知り合うこともできました。
研究を進めるにあたって、どんなところに楽しさややりがいを感じましたか?
内山さん 疑問を持った点に仮説を立てて実験を行いました。その実験の繰り返しの中で、仮説が当たっているとわかった瞬間がとても楽しかったです。それに、僕が主著の論文も今回の3種のツノトンボの生態比較も、僕よりも先に発表した人はいないそうです。タイミングが良かっただけかもしれませんが、自分が新発見をできた。やってきて良かったなとうれしい気持ちでいっぱいです。

好きだったら、きっと頑張れる!
自然豊かな地元で、観察を続けたい

好きだったら、
きっと頑張れる!
自然豊かな地元で、
観察を続けたい

研究を通して成長したと思うのは、どんな点ですか?
内山さん まだまだ、粘り強さやコツコツと努力を積み重ねるひたむきさは足りませんが、大人と話をしたり、メールなどでコミュニケーションを取ったりするのは上達したと思っています。プレゼンの発表や質疑応答などにも、慣れてきました。それに、どんなに優れた研究も伝わらなければ世に出ません。だからこそ、わかりやすく伝えるために試行錯誤しながら発表資料づくりを頑張りました。パソコンを使った作図などが年々上手くなってきて、周囲から成長をほめられたことも自信になっています。
これからやりたいことや将来の夢は、何ですか?
内山さん 研究に関しては、「キバネツノトンボ」の光や匂いなどへの反応を分析するなど、もっと深く生態を知るために実験を続けられたらうれしいです。僕が住んでいる小美玉市はとても自然が豊かな地域なので、ずっとこの町で、大好きな虫と触れ合いながら暮らしていけたらいいなと思います。
これから研究をやろうと考えている仲間たちに、メッセージをお願いします。
内山さん 僕自身は、勉強が好きなわけでも知識があるわけでもなく、ただの虫好きの中学生です。好きなことであれば、勉強の力や知識が足りていなくても発想や工夫、経験でカバーできるはずです。「自分にはできない」とあきらめずに、挑戦してみてほしいと思います。
ありがとうございました!
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小学校の部
受賞者インタビュー
オリンパス特別賞

暑い夏を乗り切ろう!体のクールダウン大作戦! part2

中山 桃嘉さん
富山県富山大学教育学部附属小学校 4年

実験を重ねてデータを取り、暑い夏を乗り切る最適な飲み物を探究!

夏のテニス練習をきっかけに、
クールダウンの研究をスタート

夏のテニス練習をきっかけに、
クールダウンの研究をスタート

まずは、受賞された研究の内容を教えてください。
中山さん 昨年度から体をクールダウンするための方法を研究し続けていて、今回の研究では、飲み物の種類によって体温の下がり方にちがいがあるかどうかを調べました。まずは身近にあるいろいろなお茶やスポーツ飲料水、牛乳、ジュースなどの成分について調べ、その中から成分のことなる8種類の飲み物を選び、飲むときの条件を同じにして飲む前と飲んだあとに体温を測定し、その結果を比べました。
そこからどんなことがわかりましたか?
中山さん 結果を見て、体温の変化には飲み物に含まれる成分が関わっているのではないかと考えました。さらに、体温が一番下がった飲み物がスポーツ飲料水であったことから、その成分である塩分や糖分に着目して、体温を下げるためのオリジナルドリンクもつくりました。
実験の最後に、オリジナルドリンクをつくったのはなぜですか?
中山さん 研究をしていくうちに、「効果的にクールダウンするための飲みものを、自分でもつくってみたい」と考えてつくりました。私は小さいころから工作などが好きで、「あったらいいな」と思いついたものを、実際につくってみるとわくわくします。
今回の研究はpart2ということですが、効果的なクールダウンの方法をもっと深めたいと思ったきっかけはありますか?
中山さん 私は、1年生のときから始めたテニスが大好きで、練習をがんばっているのですが、夏に練習をするととても暑く、熱中症も心配になります。そこですばやくクールダウンする方法を調べて、実行しようという「作戦」を立てました。
実験後に、医師からくわしいお話を聞いて、実験の結果をもとにした考察の裏づけをとっていますね。
中山さん じつは私のお父さんがお医者さんなので、くわしい話を聞くことができました。もちろん自分でもいろいろと調べましたが、私が「こうなんじゃないかな」と思ったことに人体の専門家に答えてもらったことは、研究をまとめるうえでとても頼りになりました。

データは宝物。正確性を高めるために
工夫をかさねる

データは宝物。
正確性を高めるために
工夫をかさねる

研究で苦労したことがあれば教えてください。
中山さん 正確な体温を測ることです。8種類の飲み物を飲む前に1回体温を測り、飲んだあとにも10分後・20分後の2回測ったので、あわせて120回くらい体温を測りました。測定する間は体を動かさずにじっとしている必要があったので、それがとてもたいへんでした。また、条件を揃えるために体温を測る2時間前は食事をせず、1時間前から静かに過ごして飲み物も飲まないようにしていたので、お腹がすいてつらいこともありました。
体温を測るときの条件を同じにするためには、ほかにどんなことを工夫しましたか?
中山さん 室温や湿度も毎回できるだけ同じになるようにしました。服装も実験の前に、どんな素材が実験にふさわしいかを考え、できるだけ同じ素材のものを着て実験をしました。
研究をしていて、うれしかったことはなんですか?
中山さん スポーツ飲料水はほかの飲み物とはちがって大きく体温が下がったので、「どうしてだろう?」と考えてわくわくしました。念のために、もう一度実験して、最初の実験のデータに間違いがないことも確認しました。また、最後に自分でつくったオリジナルのクールダウンドリンクが、予想通り体温を下げる効果があることがわかったときは「やった!」とうれしくなりました。ただ、味はちょっと微妙だったので、くふうが必要だと思いました。
この研究で、成長できたことやためになったことはありますか?
中山さん 成長できたことは、粘り強くなったことです。研究をしたり工作をしたりすることはもともと好きでしたが、正しいデータを取るために自分で考えてくふうもできるようになりました。ためになったことは、実験を通じて塩分補給の大切さが実感できたことです。
研究の際に知ったことや受けたアドバイスで、印象に残っているものはありますか?
中山さん お母さんからの「実験で得られたデータは宝物」という言葉です。この言葉があったので、データを間違いのないようにしっかりととることを心がけて研究することができました。また、繰り返し体温を測るのがたいへんなときも、「このデータをもとに新しい発見があるかもしれない!」と考えることで、前向きな気持ちになりました。

自分の「好き」を軸に、
新たな発見を楽しんで研究に取り組む

自分の「好き」を軸に、
新たな発見を楽しんで
研究に取り組む

2年前にもシゼコンに応募して入賞されていますね。今回オリンパス特別賞を受賞したときはどんな気持ちでしたか?
中山さん 2年生のときは1等賞をいただいていて、次はさらに上の賞を目指したいと思っていたので、とてもうれしかったです。受賞のお知らせのメールをお母さんに見せてもらったときは、心臓が止まるほどびっくりしました。お父さんにも早速報告して、「おめでとう」と言ってもらえてうれしかったです。
これから研究に取り組もうとしている仲間へ、メッセージをお願いします。
中山さん 研究をやっているとたいへんなことがたくさんありますが、新しい発見があるかもしれないと思うと、それも楽しく感じられるようになります。また、私は自分が「あったらいいな」と思うものに挑戦することも好きで、研究を生かして新しいものをつくることも楽しんでいます。みなさんもぜひ自分の好きなことを見つけて、楽しみながら研究に取り組んでください。
ありがとうございました!
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中学校の部
受賞者インタビュー
オリンパス特別賞

両利きになることを支援する装置の開発3

辻 知里さん
静岡県静岡大学教育学部附属静岡中学校 2年

使いやすさを追求した「両利きになることを支援する装置」が、
3年間の試行錯誤を経てついに完成!

非利き手で文字をきれいに書くには?
44名の協力を得て、データを収集

非利き手で
文字をきれいに書くには?
44名の協力を得て、
データを収集

「両利きになることを支援する装置の開発」を研究テーマに選んだ理由は何ですか?
さん 私は左利きなのですが、世の中には圧倒的に右利きの人が多いため、身の回りのいろいろなものが右利きの人に使いやすいようにできています。ドアノブ位置、ペットボトルのキャップを開ける向きなど日常生活で不便に感じる場面が多く、両利きになれたら便利で効率的だろうと思ったことがきっかけです。
3年間、同じテーマで研究を進めてきたそうですね。
さん はい、そうです。1年目はどちらの手でも箸が上手に使える装置を開発しました。2年目は装置を「道具」ではなく「体の一部」ととらえて、非利き手でも上手に文字が書ける装置を開発しました。2年目の研究を終えて、「もっと良いものができるのではないか」「より多くの人が使える装置にしたい」という思いが生まれ、3年目も文字を書く装置を引き続き研究することにしました。2年目は肘の動きに注目していたのですが、3年目は文字を書く時のペンと持ち手の角度に注目したのが大きな変化です。また、2年目はダンボールやマジックテープなどを使って装置を作りましたが、使い心地やデザイン性を高めるために、材料に粘土を選んで製作を進めたのも前回とは違うポイントです。
どのように研究を進めましたか?
さん より多くの人が使える装置にするためには、たくさんのデータを取って分析することが必要だと思い、友人やその家族など44名の協力を得て、文字を書く時のペンと持ち手の角度を計測してデータを取りました。それをもとにベストな角度や形状を検証して設計図を書き、装置に反映しています。試作の際には、7種類の粘土を試しました。加工が楽でも、使用した時に粉がつきやすかったり、重かったりと使い心地が悪ければ使ってもらえません。使う人の視点に立ってものづくりをすることを心がけました。そして完成した装置を使ってAIによる採点アプリに「ほ」の文字を書くことで使いやすさを検証し、改善点を考えて、改良した第2号が今回の完成品です。

繰り返すこと、失敗を糧にすること。
研究はプロセスが何より大切

繰り返すこと、
失敗を糧にすること。
研究はプロセスが何より大切

研究を通して、いちばんの発見は何でしたか?
さん 多くの人にとって使いやすい理想の装置に近づけるためには、データをたくさん取ることやそれをしっかり記録して分析すること、そこからよく考えてまとめる力が大切なのだとわかりました。私が所属している「静岡STEAMフューチャースクール」の先生方からは、「サンプル数の数が信ぴょう性を高める」と教わりました。また、繰り返し実験をすることの重要性も知りました。何度やっても同じ結果が出ないと実験として成功とは言えません。そういう研究や実験の基本的な考え方が身に付いたのは、良かった点だと思います。
研究の中で、楽しかったのはどんなところでしたか?また、研究を経て自分で成長したと思う点はどこですか?
さん 自分で設計して、ものづくりをする過程に楽しさを感じました。作りたいものを完成させるために、いろいろな素材を比べたり、作り方を工夫したりと、試行錯誤するプロセスがとても楽しかったです。成長した点は、考える力やチャレンジする力がついたことです。失敗しても原因は何だろうと考えて、別のやり方でやってみる。それを繰り返して、理想の形に近づけた過程は、自分自身の成長に繋がったと思います。
いちばん大変だったのは、どんなことでしたか?
さん 多くのデータを取らなければいけなかったことです。今回は、Googleフォームを使って、協力してくれる人にペンを持った時の手の写真を送ってもらいました。納得して協力してもらうため、そして正確なデータを取るために、お願いする際には、「なぜこの研究をしているのか」「撮った写真を何に使うのか」などをしっかり説明するように心がけました。

科学技術の可能性を信じて、
役に立つものづくりを続けたい

科学技術の可能性を信じて、
役に立つものづくりを続けたい

オリンパス特別賞の受賞を知って、いかがでしたか?
さん 頑張って続けてきた研究を評価していただけたことが、とてもうれしいです。研究にたくさん協力してくれた母も、一緒に喜んでくれました。データ収集に協力してくださった人たちにも、あらためて感謝を伝えたいです。
研究成果を今後、どのように生かしていきたいですか?
さん 左利きである自分が両利きになることを目指して始めた研究でしたが、けがや病気などで利き手が使えなくなってしまった人の支援にもつなげられるのではないかと考えています。医療利用などができるようになれば、たくさんの人の役に立てるかもしれません。それを目指して、これからも研究を続けていきたいです。
将来の夢は、何ですか?
さん 科学技術は私たちの生活を豊かにしてくれたり、自分の能力を超えた力をもたらしてくれたりするものだと思っています。そんな科学技術の可能性にワクワクしながら、研究を続けてきました。どんな職業に就きたいかはまだわかりませんが、自分で手を動かしてものづくりをすることが好きなので、科学技術の力を借りながら、多くの人の役に立つものを作っていきたいです。
これから自由研究にチャレンジしようと考えている皆さんへ、メッセージをお願いします。
さん 自由研究では、「問いを持つこと」を大切にしてほしいと思います。問いをもとに自分の興味を深く追求すると、そこから新しい問いが生まれていきます。もし失敗しても、その経験が次につながっていく。そうやって試行錯誤する過程を楽しめたから、私は研究を続けることができました。一つのことを深める喜びを感じられるのが、研究のおもしろさだと思います。
ありがとうございました!
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第66回シゼコン表彰式

審査総評

第66回を迎えた自然科学観察コンクールに多くの応募をいただき、審査員として応募いただいた作品を読む至福の時間を過ごすことができました。応募いただいた児童・生徒さんの探究への姿勢に感動するとともに、自然科学の解明に真摯に向きあい、自然の事象に学び、実験の失敗にもめげず仮説設定と実験、実証を繰り返していく姿勢に深い感動を覚えました。
応募いただいた作品を読む前に日本人2人のノーベル賞、生理学・医学賞と化学賞の受賞のニュースがありました。未来の科学者を目指す応募作品を読むにも力が入りました。応募いただいた作品には、多様な視点から観察力を発揮している作品、探究を楽しんでいる姿勢や課題をしっかりととらえ、次のステップに取り組む意欲に燃えている作品、大学生をこえる論文執筆能力にたけた作品、学校の先生からのアドバイスやご協力、さらに友人たちと討議を深め、博物館や科学館、学会の先達からのアドバイスなど多様な方々の力を「引き付けていく力」を発揮して進めている作品など、次の時代を担う若い方々の確かな挑戦する力に未来への希望とともに深く感動しました。
応募作品の幼児期に始まる探求・探究の作品を読んでいますと、自然に学び、科学的な探究や研究に意欲を発揮できる社会や研究環境の構築を持続的に進めていかなければならない責任を感じておりました。来年も多くの作品が届くことを期待しています。

東京学芸大学名誉教授 工学博士 小澤 紀美子先生

文部科学大臣賞

小学校の部

エサ条件によるプラナリアの成長と自切に及ぼす影響

佐藤 大悟さん 東京都荒川区立第四峡田小学校 4年

審査員コメント

文部科学大臣賞の受賞おめでとうございます。目の不自由な方との交流を通して発想したテーマ「もし、人間の目を再生出来たら多くの人々を幸せにできる」という視点での取り組み、とても興味深く作品を読ませていただきました。日本免疫学会主催の「免疫ふしぎ未来2024」に参加しながら専門家の力を自らの土俵に引き付けて、課題探究していく姿勢は小学生と思えないほどであり、すでに未来の科学者としての基本的能力を備えていると感嘆しました。プレ実験として冷凍豚レバーと冷凍赤虫の2種類のエサによる個体数の自切の変化を観察し、プラナリアの体長と自切の起こり方の違いを押さえたうえでエサの栄養の豊富さによる再生の違いを明らかにしています。こうした再生の実態を踏まえて、次の実験ではRNA解析による遺伝子の働き(発現)の違いを明らかにする段階へと実験を進めていき、プラナリアの体の大きさやRNA量の個体差を反映していると考察し、RNAは次の逆転反応やRNA-Seqライブラリー作成の十分な品質を備えていることを確認していく実験・研究プロセスは既に科学者としての資質を十分に証明していることを審査員一同高く評価しました。

小澤 紀美子先生

オリンパス特別賞

小学校の部

暑い夏を乗り切ろう!体のクールダウン大作戦! part2

中山 桃嘉さん 富山県富山大学教育学部附属小学校 4年

審査員コメント

昨年度、暑い夏を乗り切るために保冷グッズなどを使って体温を下げる研究をしたことを発展させて、飲み物と体温の関係について調べることができました。初めは、身近な飲み物を飲んだときの変化を調べました。実験をするにあたり、条件を一定にすることを意識しながら体温の変化について丁寧に記録しており、120回を超える検温を行ったことも評価すべき点です。実験を通して塩分が関係しているのではないかと考え、新たな課題を見いだすことにつなげることができました。次の実験では、塩分量と体温低下の関係について調べるとともに、実験を通して感じた疑問をお医者さんに聞いて確かめている点も評価できます。最終的にオリジナルのクールダウンドリンクを作り、日常生活の中で活かすことができているところもよい研究になりました。今回の研究からも新たな課題が見いだされていますので、暑い夏を乗り切るための今後の研究が楽しみです。

飯田 秀男先生

中学校の部

両利きになることを支援する装置の開発3

辻 知里さん 静岡県静岡大学教育学部附属静岡中学校 2年

審査員コメント

本研究は3年間継続して行ってきた研究です。日常生活の中で、ペットボトルの蓋を開ける方向やキッチン用品などについて、左利きの辻さんは日用品の多くが右利き用に作られていることによる使用時の不便さを感じており、そこから本研究がスタートしました。左利き用の商品を開発するのではなく、両利きになることを支援するための装置の開発・研究を行いました。実験装置についても、実験を進めていく上で生じた課題を改善するため、進化した装置2号を製作しました。ペンの傾きの角度を調整したり、紙粘土の滑りが悪かったため底にプラバンをはったりするなどの工夫を行いました。実験の実施にあたっては40名を超える被験者の方々の協力を得て、本研究を進めることができました。楽しみながら研究に取り組むことで、より良い装置の製作を進めることができた点は、非常に評価できる研究です。今後はさらに研究を発展させ、将来的には多くの人が利き手と非利き手にこだわることなく日常生活を送ることができる装置の実用化に向けて開発を進められることを期待します。

田中 史人先生

応募総数

第66回応募校数・作品数
小学校の部 中学校の部 合計
応募校数 200 0 400
応募作品数 4000 1800 6700

応募総数

第66回応募校数・作品数
応募校数 応募作品数




200 4000




0 1700

300 6800

シゼコンアーカイブ

シゼコンアーカイブ

各年度のコンクールまとめや入賞作品
  • 第66回 自然科学観察コンクール
  • 第65回 自然科学観察コンクール
  • 第64回 自然科学観察コンクール
  • 第63回 自然科学観察コンクール
  • 第62回 自然科学観察コンクール
  • 第61回 自然科学観察コンクール
  • 第60回 自然科学観察コンクール
  • 第59回 自然科学観察コンクール
  • 第58回 自然科学観察コンクール
  • 第57回 自然科学観察コンクール
  • 第56回 自然科学観察コンクール
  • 第55回 自然科学観察コンクール
  • 第54回 自然科学観察コンクール
  • 第53回 自然科学観察コンクール
  • 第52回 自然科学観察コンクール
  • 第51回 自然科学観察コンクール
  • 第50回 自然科学観察コンクール
  • 第49回 自然科学観察コンクール
  • 第48回 自然科学観察コンクール
  • 第47回 自然科学観察コンクール
  • 第46回 自然科学観察コンクール
  • 第45回 自然科学観察コンクール
  • 第44回 自然科学観察コンクール
  • 第43回 自然科学観察コンクール
  • 第42回 自然科学観察コンクール
  • 第41回 自然科学観察コンクール
  • 第66回 自然科学観察コンクール
  • 第65回 自然科学観察コンクール
  • 第64回 自然科学観察コンクール
  • 第63回 自然科学観察コンクール
  • 第62回 自然科学観察コンクール
  • 第61回 自然科学観察コンクール
  • 第60回 自然科学観察コンクール
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  • 第58回 自然科学観察コンクール
  • 第57回 自然科学観察コンクール
  • 第56回 自然科学観察コンクール
  • 第55回 自然科学観察コンクール
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  • 第44回 自然科学観察コンクール
  • 第43回 自然科学観察コンクール
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  • 第41回 自然科学観察コンクール

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第66回自然科学観察コンクール 募集終了
2025年度(第66回) 募集終了