第66回を迎えた自然科学観察コンクールに多くの応募をいただき、審査員として応募いただいた作品を読む至福の時間を過ごすことができました。応募いただいた児童・生徒さんの探究への姿勢に感動するとともに、自然科学の解明に真摯に向きあい、自然の事象に学び、実験の失敗にもめげず仮説設定と実験、実証を繰り返していく姿勢に深い感動を覚えました。
応募いただいた作品を読む前に日本人2人のノーベル賞、生理学・医学賞と化学賞の受賞のニュースがありました。未来の科学者を目指す応募作品を読むにも力が入りました。応募いただいた作品には、多様な視点から観察力を発揮している作品、探究を楽しんでいる姿勢や課題をしっかりととらえ、次のステップに取り組む意欲に燃えている作品、大学生をこえる論文執筆能力にたけた作品、学校の先生からのアドバイスやご協力、さらに友人たちと討議を深め、博物館や科学館、学会の先達からのアドバイスなど多様な方々の力を「引き付けていく力」を発揮して進めている作品など、次の時代を担う若い方々の確かな挑戦する力に未来への希望とともに深く感動しました。
応募作品の幼児期に始まる探求・探究の作品を読んでいますと、自然に学び、科学的な探究や研究に意欲を発揮できる社会や研究環境の構築を持続的に進めていかなければならない責任を感じておりました。来年も多くの作品が届くことを期待しています。
文部科学大臣賞の受賞おめでとうございます。目の不自由な方との交流を通して発想したテーマ「もし、人間の目を再生出来たら多くの人々を幸せにできる」という視点での取り組み、とても興味深く作品を読ませていただきました。日本免疫学会主催の「免疫ふしぎ未来2024」に参加しながら専門家の力を自らの土俵に引き付けて、課題探究していく姿勢は小学生と思えないほどであり、すでに未来の科学者としての基本的能力を備えていると感嘆しました。プレ実験として冷凍豚レバーと冷凍赤虫の2種類のエサによる個体数の自切の変化を観察し、プラナリアの体長と自切の起こり方の違いを押さえたうえでエサの栄養の豊富さによる再生の違いを明らかにしています。こうした再生の実態を踏まえて、次の実験ではRNA解析による遺伝子の働き(発現)の違いを明らかにする段階へと実験を進めていき、プラナリアの体の大きさやRNA量の個体差を反映していると考察し、RNAは次の逆転反応やRNA-Seqライブラリー作成の十分な品質を備えていることを確認していく実験・研究プロセスは既に科学者としての資質を十分に証明していることを審査員一同高く評価しました。
昨年度、暑い夏を乗り切るために保冷グッズなどを使って体温を下げる研究をしたことを発展させて、飲み物と体温の関係について調べることができました。初めは、身近な飲み物を飲んだときの変化を調べました。実験をするにあたり、条件を一定にすることを意識しながら体温の変化について丁寧に記録しており、120回を超える検温を行ったことも評価すべき点です。実験を通して塩分が関係しているのではないかと考え、新たな課題を見いだすことにつなげることができました。次の実験では、塩分量と体温低下の関係について調べるとともに、実験を通して感じた疑問をお医者さんに聞いて確かめている点も評価できます。最終的にオリジナルのクールダウンドリンクを作り、日常生活の中で活かすことができているところもよい研究になりました。今回の研究からも新たな課題が見いだされていますので、暑い夏を乗り切るための今後の研究が楽しみです。
本研究は3年間継続して行ってきた研究です。日常生活の中で、ペットボトルの蓋を開ける方向やキッチン用品などについて、左利きの辻さんは日用品の多くが右利き用に作られていることによる使用時の不便さを感じており、そこから本研究がスタートしました。左利き用の商品を開発するのではなく、両利きになることを支援するための装置の開発・研究を行いました。実験装置についても、実験を進めていく上で生じた課題を改善するため、進化した装置2号を製作しました。ペンの傾きの角度を調整したり、紙粘土の滑りが悪かったため底にプラバンをはったりするなどの工夫を行いました。実験の実施にあたっては40名を超える被験者の方々の協力を得て、本研究を進めることができました。楽しみながら研究に取り組むことで、より良い装置の製作を進めることができた点は、非常に評価できる研究です。今後はさらに研究を発展させ、将来的には多くの人が利き手と非利き手にこだわることなく日常生活を送ることができる装置の実用化に向けて開発を進められることを期待します。
| 小学校の部 | 中学校の部 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 応募校数 | 200 | 0 | 400 |
| 応募作品数 | 4000 | 1800 | 6700 |
| 応募校数 | 応募作品数 | |
|---|---|---|
| 小 学 校 の 部 |
200 | 4000 |
| 中 学 校 の 部 |
0 | 1700 |
| 合 計 |
300 | 6800 |