2006年の冬、保育園のツバメの巣にツバメがいるのを見つけ、なぜ冬に日本にいるのか不思議に思い、もっとよくツバメのことを知りたいと思ったのが研究を始めたきっかけです。春になってツバメの巣作りや卵の数、エサを運ぶ回数などを調べるうちに、ツバメの巣がスズメにとられることに気が付きました。なぜ、ツバメの巣がスズメにねらわれるのだろう、と知りたくなりました。 |
巣立ちに成功した巣(ひなのとき)
観察1
2007年4月18日から7月26日まで日東保育園のツバメの巣・卵・ひな・巣立ったひなの数と経過・くわしい様子を観察・記録した。長さ2m15cm、太さ2cmの竹の先に直径9cmの手鏡を角度が変えられるように針金でつけて、観察した。
観察2
オスとメスが巣を離れた時刻・戻った時刻・交代した時刻とその時の様子を記録した(記録日:7月2日~7月7日5時30分~17時30分)。
調査1
日進市を北西・西・東と分け、ツバメの巣の、数・状態を調べ、ツバメの巣マップを作った
(調査日:2007年6月22日)。
調査2
日東保育園のまわりを歩いてかん境を記録した。
調査3
保育園のとり小屋について詳しく調べた。
実験
① | エサをまく前のとり小屋の中のスズメの数を10分ごとに調べた。その10分間のうち最高のスズメの数を記録した。 |
② | とり小屋以外の場所に、とり小屋とは違う3種類のエサをまいた後の、とり小屋にいるスズメの数を調べた。 |
とり小屋と同じエサをまいて②と同様に調べた。調査4 日東保育園のスズメの巣の数を調べた。 |
保育園の10個のツバメの巣のうち、9個がスズメの攻げきにあい、はんしょくに失敗した。保育園にはとり小屋があり、スズメにとって都合の良いエサ場であることと、すぐ近くにあるツバメの巣を利用しているという関係がわかった。はんしょくに成功した1組のツバメには3つの秘訣があった。
① | 巣を空にしないこと |
② | スズメにいかく・攻げき行動ができること |
③ | ペアのきずなが強いこと。 |