昨年の実験の結論をホッキョクグマは黒い肌で光を反射してその反射光が毛で乱反射して白く見えるとしてしまったが、黒は光を反射せず吸収するという事を思い出し、自分の結論がまちがっていた事に気づいたので、今年も引き続き研究しようと思った。
テーマ1. ホッキョクグマの毛はなぜ白く見えるのか?
方法
(1)昨年の研究(第51回自然科学観察コンクール入賞作品ガイド集p.40-41参照)で観察した歯ブラシを観察しなおし、ホッキョクグマの毛は二重に生えているので毛の密度が高まり白く見えているのではないかと考えた。王子動物園に行ってホッキョクグマのはくせいを見せてもらい確認した。
(2) 発泡スチロールを肌、光ファイバーを毛として、モデル実験を行った。
テーマ2.
① | なぜホッキョクグマの肌は黒いのか、黒くする事でどんな利益を得たのか? |
② | なぜホッキョクグマの毛は中空なのか、中空になったのにはどんな意味があるのか? |
方法
(1)水を入れたペットボトルに、黒い紙をまき、さらにクシャクシャにしたサランラップを二重にまいて、日に当たる所に置き、白い紙をまいた物や黒い紙をまいた物と水温を比較した。
(2)ホッキョクグマの毛のモデル(中空構造)としてストローを、中空ではない毛のモデルとしてストローにサランラップ
を入れて、蛍光灯の光と太陽光で調べた。
テーマ3. CO2で本当に気温は上がるのか?
方法
昨年の実験を改良し、ガスバリア性の袋に二酸化炭素のボンベからCO2を入れた。
テーマ4. ホッキョクグマは究極進化をするのか?
方法
専門家の先生方に電話やメール、話を聞くなどして調査した。
考察
ホッキョクグマは元々毛の根元にあったメラニン色素が肌にうつった事で毛をとう明にした。黒くなった肌によって集められた太陽光を中空の毛が効率よく肌に伝えられ赤外線が体に吸収されて体温が上がる。上がった体温は、二重に密集して生えている毛によって保温される。とう明な毛と黒い肌によって有害な紫外線も反射される。以上の事を考えると、ホッキョクグマの体は太陽電池+蓄電池+紫外線バリアーの働きを持っていると考えられる。