私たちは遊んでいた時に木の下に落ちていたプロペラのようなものを見つけた。「このプロペラみたいなものは何ですか」と先生にたずねると、「カエデの種だよ。落としてごらん」と言われた。落としてみると、種がくるくる回って落ちていった。その動きがとてもきれいで、何度も種を落として遊んだ。「どうしてこんなにきれいにくるくる回るのかなぁ」と不思議に思った。
方法
カエデとヒマラヤスギの翼果を観察した。ふくらんで重いかたまりの部分を種、翼のように飛ぶための部分を羽根、全体を翼果と呼ぶことにした。また、羽根が床にほぼ平行になり、翼果が2回以上回ったと肉眼で判断できた状態を『回った』とすることにした。
追究1. くるくる回る翼果の模型を作る
羽根の片側を厚くして、重心の位置を種側に来るようにし、おもりの数を調節することで種の模型はくるくる回って落ちた。また、種の部分から遠くへ行くほど羽根をうすくするとよく回った。これらの条件から、紙を切り貼りするだけでくるくる回る種の模型を作ることができた。
追究2. カエデの翼果のひみつを探る
(1)翼果の落ちる向きで回りやすさに違いはあるかを調べた。
(2)木で翼果を観察した。
(3)翼果の羽根の周りの空気の流れを調べた。
結果・考察
カエデの翼果は、羽根の厚い方が下になって落ちると回りやすい。そのため、木の枝には羽根の厚い方が下側になってついていた。また、種に近い側で空気の流れがたくさんうずを巻くため、種側がうきやすくなり、回りやすくなっていると考えられる。
追究3.ヒマラヤスギの翼果のひみつを探る
(1)翼果の落ちる向きで回りやすさが変わるかを調べた。
(2)球果から翼果が落ちる仕組みを調べた。
(3)翼果の羽根が折れているのは、回りやすくするためかを調べた。
結果・考察
ヒマラヤスギは球果が開いて来る時に翼果は種が上で羽根が下になって落ちやすくなっている。羽根が上で種が下になって落ちても回るように、羽根が垂直方向から30°ぐらい折れ曲がっている。