小学2年生から「アリの研究」を始めて7年間、様々な実験をしてアリを研究してきた。小学校6年生の時にたまたま発見したアリの信号音。アリがお尻を打ち付けて音を出す行為の録画に成功し、それが危険を察知した時に起こす行為であることは実験から分かったが、改めて考えるといくつか疑問が湧いてきた。更に詳しく実験して真実を追究し、また、自然界の進化にも着目して研究を進めたいと思った。
アリの危険信号の謎を解く
実験
(1)複数のペットボトルにクロオオアリを入れて、そのうちの1つに息を吹き込んだ。クロヤマアリのペットボトルも1つ置いてみた。
(2)巣の近くにある木に登っていたクロオオアリに、小枝や葉などで突っつき刺激を与えた。
結果
(1)息を吹きかけたペットボトルに入っているアリはパニック状態になったが、他のペットボトルのアリは反応しなかった。クロヤマアリは息を吹きかけても反応しなかった。
(2) 刺激を与えると、パニック状態になって一定の範囲を動き回った。何度も何度もお尻を打ち付けていた。しかし、音は聞こえなかった。しばらくすると、お尻を打ち付けていた場所を、同じ巣穴の仲間のアリが通った。すると、アリは急にスピードを落とし、触覚で何度も確認し、警戒しているようであった。更に、別の仲間のアリはそこを避けて通った。その後、数匹のアリが同じように、触覚で確認し警戒している様子だった。
考察
お尻を何度も叩き付ける行為は、危険信号音を出すためではなくて、危険フェロモンの匂いを強烈に木や地面に付ける為の行為と考えた方が正しいようだ。お尻を叩き付ける方法で危険信号フェロモンを出すクロオオアリと出さないクロヤマアリでは体型が違う。アリにしてもハチにしても、生活するのにお尻が大きな役目を持つ種類は、ウエストにかけて締まっていてお尻を動かしやすくなっている。「必要性」に応じてその様な体型になったと考えられる。