4年間、おたまじゃくしの研究をしてきて抱いた疑問点について、さらに詳しく研究をしようと思った。今回はおたまじゃくしが成体にまで変態するのに関係する物質は何かについて調べてみたいと思った。
方法
昨年までの研究結果から出た推測「変態のスイッチは葉酸によってもたらされるのか」、それとも一般的に言われているヨウ素なのか、ヨウ素の含有量の差でえさの選択をした(表1)。
2011年3月31日、東京都青梅市河辺町多摩川河川近くのため池で卵を採取した。20個のケースに30個ずつ卵を入れ室内に設置し
た。
4月17日、おたまじゃくしになった。
4月18日、実験開始。20ケースにそれぞれ20匹のおたまじゃくしを入れ、室内に置き観察した。鶏レバーを生のまま小さく包丁で刻んでケース1~5に、青のりをそのまま振りかけてケース6~10に、こんぶを水に戻して細く切ってケース11~15に、ところてんを3㎝に切ってケース16~20に与えた。えさが無くなったら追加した。水は頻繁に取り替えた。
4月18日から5月12日まで体重を測定した。
① | デジタルスケールに、シャーレを置き、おたまじゃくしを専用のあみ(直径4㎝・台所の水切りネットに針金を通して作製した)ですくい、タオル上で水分を切り、シャーレにまとめて入れ測定し、個体数で割った。成長段階を目視で測定した。 |
追加実験
冷蔵庫で飼育していた成長を遅らせたおたまじゃくしに青のりと鶏レバーを与えて比較した。
結果・考察・分かったこと
変態のスイッチはヨウ素と温度であるが、変態を促進させる物質の1つとして葉酸が働くと考えられる。
表1