研究の動機
小学2年生の時からチョウを飼育し観察してきた。5年生の時にチョウの休眠に興味をもって休眠する条件を調べ始めた。中学1年生の時(去年)の研究で、モンシロチョウは日長が短いことを第1条件に、気温の低下も加味しながら、休眠に入ることを決定していると分かった。モンシロチョウと同様、蛹(さなぎ)で休眠するアゲハは、小学6年生の時の研究で、モンシロチョウとは違い、日長は休眠に入ることに関係なく、気温の低下を感じて休眠することが分かっている。今年は去年分かったモンシロチョウの休眠条件と比較しながら、アゲハが何によってどのように休眠することを決定しているのかを詳しく調べたいと思った。
結論と感想
アゲハはモンシロチョウとは違い、休眠の条件の基本を気温の低下にしていることがはっきりした。ずっと約25℃の環境にいても、たった5時間3℃の気温を、蛹になって2日後の段階で、しかも1回経験しただけで休眠する。さらに最低気温の下がり具合に応じて、1回ですぐに休眠に入らずに何回か低温を経験することによって休眠に入ることもあると分かった。日長は極端に短くなった時だけ休眠条件として作用し、他の場合は作用しないことが分かった。約100頭のアゲハを飼育して実験したが、同じ条件で飼育しても結果が違 う個体があった。これは異変があった時全滅することを防ぎ、少数でも生き残るための戦略だと思う。単純な法則ではまとめられない、生きるための知恵は本当にうまくできているのだと思った。