研究の動機
小学校の理科の授業で習った、ものの溶け方でミョウバンの結晶に興味をもち、ミョウバン結晶の成長研究を始めた。この研究も今年で3年目になる。
1年目の研究は、“冷却法”、“再加熱法”、“溶媒蒸発法”、“密度拡散法”、“飽和溶液を利用した結晶育成法”の5つの方法を使って、4つのテーマで結晶の育成をした。
2年目の研究は、1年目で研究した“密度拡散法”での結晶成長の研究をさらに掘り下げ、装置を作り、条件に違いをつけて、大きく綺麗な正八面体に成長することを目的とした実験をした。
3年目の今年は、1、2年目の時点では思った通りの結果にならなかった実験を、2年間の研究でわかったことを基に再実験することにした。
結論と感想
1年目の研究の「内側がクロムミョウバン、外側がカリミョウバンの混晶つくり」と、2年目の研究の「密度拡散法での結晶つくりでガタガタになった結晶」でうまくいかなかった原因は、2年間の経験で考察した結果、温度を一定に保つことが正八面体にきれいに成長するという結論に至った。そこで今年は、『温度が下がると原子運動は低下して、原子同士が規則正しく結びつき合うようになるはず』と仮説をたて、常温よりも温度が一定である冷蔵庫内で成長させた。予想通り時間はかかったがきれいな正八面体に成長した。
また、ミョウバン結晶が成長して結晶化していく過程にできる欠陥の研究では、結晶の頂点部分の欠けの修復速度は他の面や辺よりも速いのではないかに注目して実験をした。結果、頂点部分の修復成長は速く、同じ結晶の中でも方向によって結晶(原子)の積み上げやすさは異なっていて、積み上げやすい方向ほど結晶の成長速度は速くなる=頂点になる、という仮説が正しいという結論になった。
継続研究をすることで、過去のうまくいかなかった研究を解明できたことは楽しかった。