僕たちの緑町中学校は、毎朝校庭の周りに植えられた60本もの桜から落ちる大量の落ち葉や花びらを掃いている。その時に、選んだ箒の状態によって、ゴミの取れ方やゴミの集まり方、取れるゴミの種類などにも違いが見られた。一体、どのような箒にすれば、効率良くより多くのゴミを掃き集めることができるのか、どのような掃き方をすれば、すばやくきれいにできるのだろうか。追究してみることにした。
方法
観察
Ⅰ.使用済みと未使用の竹箒を観察した。
Ⅱ.未使用の竹箒を使用し掃き方を変えて、ゴミの取れやすさを比較した。
Ⅲ.未使用の竹箒を使用し掃けたゴミごとに長さ、幅、厚さなどを計測し記録した。
実験
Ⅰ.竹箒を分解し枝分かれしている枝を15本手で握ってまとめた。10枚の同じ位の大きさの桜の葉や折れた枝をコンクリート上に均等になるようにまいた。竹箒の枝で1回掃いた時にどのくらい集められるかを調べた。また、枝分かれを切り落とし、同様に調べた。以下、条件を変えて掃きやすさを比較した。
Ⅱ.竹箒の枝分かれの角度、Ⅲ.枝分かれの長さ、Ⅳ.竹箒の枝の本数、Ⅴ.すだれ、結束バンド、こよりなどでモデル箒を作製して比較した。
結果・考察
1)竹箒で掃きやすいゴミは、中型~大型の落ち葉と小型~中型の枯れ枝である。これは竹箒の枝と枝の間のすき間の大きさがこれらの大きさとほぼ同じだからである。
2)竹箒で掃くのに適した条件は、地面に箒が当たる面積を大きくすることである。そのためには、箒の柄を地面に寝かせて、ある程度の距離を地面につけたまま掃くことである。
3)掃きやすい竹箒の構造は、①穂先が枝分かれしていること ②穂先の枝分かれの角度が40度未満であること ③穂先の枝分かれした部分が10㎝以上の長さであること ④穂の本数が多いこと ⑤穂が適当な長さ、太さ、弾力をもっていること。穂は20㎝以上、太さは数㎜程度が望ましい。
落ち葉が枝分かれに入る様子 |