淀川には、ワンドと呼ばれる河川敷にできた小さな入り江があり、ワンドは、淀川本流に対してため池のように閉じている閉鎖型のワンド(城北ワンド群)と淀川本流に対して湾のように開いている開放型のワンド(庭窪ワンド群)、開放型と閉鎖型の中間の半開放型のワンド(八雲ワンド)の3タイプの構造に分けられる。閉鎖型の城北ワンド群は1年生の時、開放型の庭窪ワンド群は2年生の時に調査したので、今回は半開放型の八雲ワンドの調査を行い、ワンドの構造の違いによって、水質に違いが見られるのかどうかを調べた。また、プランクトンと外来生物についての調査も行った。
パックテストなどによる水質調査の結果、水質が最も良いのが閉鎖型の城北ワンド群で、次いで半開放型の八雲ワンド、最も悪いのが開放型の庭窪ワンド群となった。このことから、ワンドの水質の違いは、ワンドの構造による淀川本流からのゴミの流入量の違いが原因であることがわかった。プランクトンと外来生物調査の結果、ごみを養分としてミクロキスティスが増殖し、アオコを形成することにより水質が悪化することや外来生物のナガエツルノゲイトウやブルーギルにより在来種が減少することなど、ワンドの水辺環境悪化の問題点も明らかとなった。