研究の動機
「面倒な草むしりをせずに、庭の雑草を枯らす方法はないのか?」と思ったことをきっかけに、4年前から雑草の研究をしている。昨年の研究では、さまざまな雑草に赤・青・緑の光を1色だけ当てた時、光合成を行うための十分な光の強さがあるにもかかわらず、雑草が枯れる組み合わせのあることがわかった。今年は、まず昨年残った疑問を解明しようと試みた。そこで得られた「熱」という手がかりを基に、雑草をより効率よく枯らす方法をさまざまな角度から調べ、それを確かめる試験を行った。
結論と感想
気温30℃以上の晴れた日に、4種類の雑草に赤・青・緑・透明・完全遮光の下敷きを地面に密着させるようにかぶせた結果、完全遮光以外の下敷きでは、どの雑草も長くて3日という早さでほぼ完全に枯らすことができた。最初の試験の「下敷きを地面から離したら、まったく雑草が枯れない」という失敗が、「光合成させない」ことよりも、真夏の高温と「過剰な光合成」で生じる「熱」により、はるかに早く雑草を枯らす方法を導き出すきっかけとなった。このことは、失敗にも目を向けることの大切さを教えてくれた。