研究の動機
3年生の時の観察から、ウズラのオスとメスでは体重の変化に差があること、個々のメスがそれぞれ決まった模様の卵を床に産むことがわかった。ある日、1羽が白い卵を産んだことがきっかけで、「ウズラは卵になぜ模様をつけるのか」という疑問をもった。そこで、みんなで考え合い、次の2つの仮説を立てた。仮説1:卵を目立たなくして天敵から守るためである。だとすれば、より目立たない場所に産卵するはずである。仮説2:自分の卵を見分けるためである。だとすれば、自分の卵の模様と同じ場所を選んで産卵するはずである。
結論と感想
実験1:メス3羽をそれぞれ1羽ずつ別のケージで飼育した。ケージの床を、半分は卵の模様、半分は無地にし、どちらの床に産むか調べた(3羽・各30個産卵)。3羽ともほとんどの卵を自分の卵の模様の床に産んだ(29/30、25/30、23/30、85%)。
実験2:自分の卵と他の2羽の卵の模様の床を同一ケージ内に設置し、3羽をその中で飼育し、どのメスがどこに産卵するかを調べた。3羽ともほとんどの卵を卵の模様の床に産んだが、自分の卵の模様の床に産んだ割合は、どのメスも30%程度だった。以上から、ウズラのメスは、卵の模様に似た地面を選んで産卵している。卵に模様をつける理由は、天敵に見つかりにくくするためだと考えられる。しかし、他のメスの卵の模様の床にも産卵することから、自分の卵の模様を完全に理解しているとまでは、いうことができない。