夏休みのある日、外出先から帰ってくると、弟と妹が、ジュースの中に氷を入れると音をたてて氷にひびが入るのがおもしろくて遊んでいました。最初は、当たり前のことに弟や妹がどうしてそんなにおもしろがっているのかと思いました。しかし、妹から「お兄ちゃん。氷をジュースの中に入れると、どうしてピシッと音がして、ひびが入るの?教えて」と聞かれたとき、ぼくはその返答に困ってしまいました。そこで、科学部の友達と一緒に研究してみることにしました。
追究1
氷にひびが入る条件を調べた。
実験1
10℃ずつ水温上昇させた水道水300mlをビーカーに入れ、それぞれに氷を入れた。氷1個分を作るのに蒸留水14mlを使い、形をそろえた。
実験2
気泡が入っている氷(炭酸水で作った)、気泡が入っていない氷(蒸留水を一度沸騰させ、製氷皿の下に箸を置いてゆっくりと凍らせた)を水の中に入れた。
実験3
ハート型、花形、細長型の氷を水の中に入れた。
実験4
氷を作る時間や冷凍庫の冷え具合を調整して、-10℃から0℃までの氷を作り水の中に入れた。
結果
① | 氷の温度が低いときほどひびが入りやすかった。 |
② | 水温、氷の気泡、氷の形状は、氷にひびが入る条件にはならなかった。 |
追究2
氷にひびが入るメカニズムを探った。
実験1
氷を入れる水を染色し、氷のひびがどこから入っているかを調べた。
実験2
蒸留水200mlで作った氷を使い、空気中と水中、それぞれの氷の中心部と表面近くの温度をデジタルサーモメーターを用いて2秒間隔で測定した。
実験3
細い試験管に蒸留水10mlを入れ、氷になったときの体積変化と、その試験管を水に入れて10秒後の氷の体積変化を調べた。
氷を水に入れたときに、氷の中心部ではゆっくりした温度変化が起き、表面部では急激な温度変化が起きる。そのために氷の収縮の差ができ、ひずみが生じ、氷にひび割れが発生すると考えられる。