科学部の先輩がエナメル線の束の上に厚紙を置き、鉄粉をふりかけて厚紙をトントンと指でたたいて、電流を流し、鉄粉が引き寄せられる現象を見せてくれました。みんなで繰り返しているとき、電源の線がはずれたことに気がつかないままたたいていたら、鉄粉の小山ができていました。このことを先生に話すと、「厚紙をたたいたときの振動でできるのではないか。振動は海の波みたいなもので、厚紙が上下して鉄粉がある場所に集まる」と教えてくれました。振動が波のように伝わっていくということから、水面に石を投げ入れたときの波紋を連想しました。同心円の輪にならないで、小山が全体にできることが不思議でした。
追究1
塩・小麦粉・発泡スチロール球・砂粒(0.84mm・0.42mm・0.17mm)をそれぞれ厚紙の上に一様にまいて厚紙をたたいた。
追究2
デジタルビデオカメラで小山の成長を観察した。
実験2
気泡が入っている氷(炭酸水で作った)、気泡が入っていない氷(蒸留水を一度沸騰させ、製氷皿の下に箸を置いてゆっくりと凍らせた)を水の中に入れた。
追究3
砂粒の大きさと形に着目して実験観察した。
追究4
ア.たたく強さを変えられる装置を自作し、砂粒が下に落ちる方向と距離を測定した。 イ.いろいろな高さから砂粒を落とす装置を自作し砂粒の転がり方を調べた。 ウ.落とす高さを互い違いにして砂粒を落とした。 エ.水平にレーザー光線を当て、跳び上がった砂粒の最高到達点をとらえた。
追究5
砂粒以外の粉で実験観察した。
小山ができる条件砂粒は細かいほど小山ができやすい。砂粒以外の粒では砂粒くらいの密度(シリカゲル)の粒で小山ができやすい。丸い粒の砂は砂山ができない。小山の成長のし方たたいたときの振動で小山の周りの砂粒が飛び上がり、その瞬間に小山の下側にもぐり込む。もぐり込んだ砂粒が中腹辺りで盛り上がり、周りから砂粒を取り込んで小山は成長する。小山のでき方高く飛び上がった砂粒は落ちてきて飛び跳ねて広がる。低く飛んだ砂粒は落ちてきて広がらずに集まり、小山を作る。