〔研究の動機〕
桜美林中学校科学部では、一昨年度からウミホタルの生態に関する研究を行っている。研究を重ねる中で、私はウミホタルの採集地について疑問を抱いた。これまでウミホタルの採集は千葉県館山市の海岸で行ってきたが、他の海岸ではウミホタルは採集できるのだろうか。特に学校や自宅から比較的近い三浦半島は、ウミホタルが、初めてドイツ人研究者ルゲンドルフによって採集された地だという。三浦半島のどこの海でウミホタルは生息するのか、採集して調べたい、そして採集できる海に共通点はあるのだろうか、明らかにしたいと思った。また、昨年度までの研究では、ウミホタルの発光理由の解明を目的として青、赤色光に対する行動について実験を行った。今年度は、ウミホタルは、緑色光に対してはどのような行動を取るか調べたいと思い、研究を始めた。
〔結論と感想〕
観音崎、森戸、久留和、金田海岸を調査地としてウミホタルの採集を行った。その結果、観音崎、金田海岸にてウミホタルを採集することができた。水質の調査、砂の粒子サイズ測定、海流の速度調査、地質図の調査を通して、ウミホタルが生息する海と生息しない海との違いを調べたことで、ウミホタルが生息する条件を考察した。さらに、ウミホタルは青色光だけでなく、緑色光に対しても逃避行動を取ることが明らかとなった。
本研究を通して、私たちはフィールドワークの面白さ、難しさを知った。また、生物研究における環境条件の検討の重要性、条件調整の難しさを知った。悪天候、悪条件にも関わらず、多くのウミホタルが採集できた時の喜びは格別だった。これからもウミホタルの採集や実験を通して、その生態の解明に関する研究を続けたいと思う。