保育園実習の話をしていた中で「ペーパーバズーカ」の存在を思い出した。新聞紙を長方形のままで作れる手軽さもあり、班のメンバーと一緒に作って遊んでいると、大きさや紙質によって、音の大小や高低に変化があるように感じられた。そこで、音の大小や高低はどのような条件で変化するのか知りたくなった。
方法
オシロスコープなどの既成の機器を使わずに、話し合いながら実験を繰り返し、以下の本実験を導いた。
「ペーパーバズーカが鳴る仕組み」についての実験
(1)折り目をつけた新聞紙と画用紙をそれぞれ左右に引っ張り、折り目を開いた。
(2)折り目が開いた瞬間の、それぞれの紙の様子を観察した。
「ペーパーバズーカの音の大小や高低の条件は何か?」についての実験
新聞紙、広告、上質紙、障子紙、B紙の大きさを変えて(表1)、ペーパーバズーカを作った。
(1)タンバリンの中心に円を描き、同じ大きさの円をくりぬいた型紙を、その円に重ねて置いた。
(2)型紙の上から砂を振りかけた後、型紙を取りはずした。
(3)タンバリンをスピーカーの中央に置き、破裂音を20発鳴らした。
(4)あらかじめキーボードでタンバリンを振動させ、それぞれの音の高さでできた砂の模様(音の万華鏡)を基準の模様とし、音の高低を測定した。
結果・考察・分かったこと
ペーパーバズーカの発する音は、折り目が開くときに生じる紙の振動であることが分かった。また、やや小さめのものの方が大きな音が鳴った。大きすぎると振動の波が伝わりにくいからだと考えられる。どの紙でも大きさが小さくなるほど音が高くなった。実験を通して、人の耳に届く音は数値だけではなく、高さにも影響されており、やや高めの音の方がより大きく響いているように感じられた。