電磁石の学習をした時、先生から磁石にくっつく液体があることを教わった。その後、実験キットを買っていろいろと調べてみると、磁性流体はハードディスクドライブやスピーカーなど身近なところで使われているという。また、強力な磁界のもとでは「スパイク現象」というウニのとげとげのようなものが発現して、その刺激的で幻想的な姿は、アートの分野でも注目されているということも知った。私たちは、磁性流体という物質の性質をもっと詳しく知りたいと思った。そして、アートの作品作りにも挑戦してみたいと思った。
スパイクを発生させるためには、予想していた以上の強い磁力が必要であることが分かった。そこで私たちは、世界最強の永久磁石といわれるネオジム磁石と電磁石を使って実験をした。磁性流体もネオジム磁石も取り扱いがやっかいであるということは、実際にやった者しか分からない。これが正直な感想だった。私たちは、血豆を作ったり、手や衣服を汚しながら実験を行い、初めて見る現象に出合った時は、私たちなりにその現象に名前をつけた。「ライジングアップ現象」や「ディンプル現象」などである。その時のワクワクした気分は今でも忘れられない。また、アートの作品作りでは、みんなでいろいろと工夫をこらして楽しい作品を写真に撮ることができた。