科学部の中本先生が牛丼を食べにお店に行った時に、先生は牛丼と一緒に味噌汁を注文した。いつものように先生が味噌汁に七味唐辛子を入れた時、水面で唐辛子などの粒同士があたかも団結するように集まった。
そんなことを先生が僕たちにとても自慢げに話した。「そんなこと本当にあるの」と僕たちは思った。早速理科室でインスタントの味噌汁を作り、七味唐辛子をふりかけてみた。すると、最初ばらばらであった唐辛子片も次第に団結するかのように集合した。そうなる理由にみんなが興味を示したため、科学的観点から調べてみることにした。
味噌汁に入れた時に集合する要因として、最初は静電気が関係していると思った。クルックス管などを使って静電気の有無を調べてみたが、唐辛子片から静電気は検出されなかった。その後も実験を繰り返し、味噌汁に七味を入れた時に集合する要因は二つあることが分かった。一つは、水の表面張力である。二つの唐辛子片の間には水があり、水の表面張力により、二つの唐辛子片の間のように動くような力が発生することで、唐辛子片は集合する。もう一つは、味噌汁に七味を入れると、いくつかの唐辛子片が沈み、入れた地点を中心とした液体の流れができる。味噌はその流れを増大させる。それが水面では、中心に集まるような流れを引き起こすために、唐辛子片は集合する。