研究の動機
東日本大震災から6年8カ月が経過しようとしているが、福島県の農産物に対する風評被害はいまだに根強く残っている。これまで本校科学部では、「震災からの復興を自分たちの手で」を目標に科学研究を通して地元の復興に役立てられないかと考えてきた。本年は、多くの酪農家の生産した原乳を風評被害から守り、さらに給食で残った牛乳を無駄にせず、有効活用する方法がないかと考え、カゼイン・プラスチックを生成することを目的に研究を進めた。
結論と感想
市販のヨーグルトを種菌に、牛乳を一度ヨーグルトとして発酵させた後にコーヒーフィルターでろ過した残渣を固めることでプラスチックとして取り出し活用を試みた。もともと牛乳が原料であり、熱処理して固めたため、植物栽培のポットとして活用しても土中で分解される生分解性プラスチックとなった。発酵をより早く進めるために種菌の種類や牛乳の種類、温度などの条件を変えて時間経過で観察を行った。発酵の条件で残渣量も大きく変化するのが驚きであった。