研究の動機
ある観光地で、杉板の表面を焼き、炭化させたものを建材に使っていた。なぜ焼杉を建材に使っているか疑問に思い、調べると、①防虫効果②防腐効果③見た目をよくする④湿度を一定にする⑤防火などの効果があることが分かった。中でも防火の効果があることに疑問を感じた。それは、焼いたことによってできる炭は、バーベキューなどに使われ、むしろ燃えやすいと考えられるからだ。そこで本当に焼杉に防火の効果があるのか、もしあるとすればその要因は何か、調べることにした。
結論と感想
焼杉のつくり方などから調べてみると、表面を焼くことによってできる炭の層が、防火の効果を生み出していると分かった。次に炭の層があるとなぜ燃えにくくなるのか、その要因を調べると、炭にすると温度上昇が遅くなることや発火する温度が高くなることが関係していると分かった。最後になぜ杉以外の木を焼かないのか、なぜ杉のみ焼いて使ったのか調べるために建材に使う木の燃え方を調べた。その結果、密度の大きい木は生木でも燃えにくいことや、油の多い木は焼いても燃えやすいため焼いて使わなかったこと、密度が小さく油の少ない杉は焼いたときの防火の効果が大きいことが分かった。この研究から昔の人の生活の知恵の素晴らしさを感じることができた。